<阪神3-2巨人>◇19日◇甲子園

 巨人はまたも阪神能見を打てなかった。昨季3勝を献上し、対策を講じてきたはずの左腕の前に4安打。フォークに翻弄(ほんろう)され、7者連続を含む10三振を喫した。2度追い付いて延長戦に持ち込んだが、延長10回に救援陣が力尽きてサヨナラ負け。3連敗となって黒星が先行した。

 言い続けてきた課題が露呈した。敗因ははっきりしていた。

 まずは天敵左腕・能見に屈した。レギュラーシーズン7連敗中、昨季も3敗と攻略できない左腕に対し、3回までに8三振を喫した。その8Kのうち、投手の東野以外はフォークで空振り三振に仕留められた。今季初のサヨナラ負けに、原辰徳監督(52)は「打つ方が相手のウイニングショットに簡単にやられすぎ。もう少し対応して、ジワジワと苦しめないと」と、立て続けにフォークを空振りした打線に苦言を呈した。

 対策はしてきたはず。オープン戦序盤から「セ・リーグにはいい左腕がいる」と、左腕対策を掲げてきた。中日チェン、ヤクルト石川、村中ら、好左腕は居並ぶが、最大の難敵として能見を想定。試合前の吉村打撃コーチは「内容は(報道陣には)言えないが、ミーティングで、しっかり話はしてきた。今年最初だし、1年間軸になる投手だから、ここでしっかりね」と、苦手意識の払拭(ふっしょく)を狙ったが、返り討ちを食らってしまった。

 敗因の2つ目がバントだった。0-1と1点を追う6回だ。無死一塁と初めて先頭打者が出塁。鶴岡は初球をバントしたものの、打球は捕手城島の目の前に止まり、一塁走者を進めなかった。続く東野は投手正面。バント-併殺と最悪のシナリオを演じてしまった。昨季のバント成功率6割4分8厘は、リーグワースト。昨季V逸の要因とも位置づけ、改善を厳命していたが、痛い場面でミスが出る。原監督は「初回の2死からの失点はもったいない。でも、それから立ち直り、非常によかった。欲を言えばバント。ダブルプレーをするようじゃ先発投手の仕事とは言えない」と、好投だっただけに悔やまれるバントミスと指摘した。

 初のサヨナラ負けでの3連敗。借金も作ってしまった。広島戦から3試合12打席無安打の小笠原について「本来の姿に戻ってくれれば。明日は大丈夫でしょう」と、原監督は前向きに話した。ただ、甲子園のベンチ裏で、監督の後ろを歩くナインの背中は、一様に、重苦しかった。【金子航】