<ヤクルト2-0中日>◇21日◇神宮

 開幕9連敗も想定していた!?

 単独最下位の中日落合博満監督(57)が超強気のオレ流節をさく裂させた。2試合連続の完封負けで、鬼門神宮で同一カード3連敗。借金は4に膨らんだ。開幕9戦で2勝6敗1分と出遅れたが、落合監督は笑みすら浮かべた。

 「いい薬だよ。9連敗も考えていた。最悪も想定していたよ。それが2勝6敗(1分け)なんだから、御の字じゃないか」。

 課題ははっきりしている。打線だ。とにかくホームが遠い。ここ3年間で3勝11敗という天敵館山に対し5安打を放った。3つの四球も選んだ。一塁を踏むこと8度。だが、二塁を踏めたのは2回と5回の2度だけだ。現状を打ち破ろうとフルスイングで挑んだが結果は3併殺と残酷。前日の由規に続いてテンポよく完封を許してしまった。

 これで21イニング連続無得点。スタメン8人中、3割打者は8番谷繁のみ。5人が1割台と深刻だ。

 「こういう流れだったし、流れを変えるために積極的に振っていかないといけないと思った」。

 5番ブランコがそう言うと、4番和田は打線の重い空気について触れた。

 「打っていないからね。投手は抑えているのに…。とにかく振っていくしかない。今が悪すぎるんで、これが続かないようにしないといけない」。

 昨季MVPが打率1割7分2厘。主砲としての責任感がその背中にのしかかっていた。

 どん底のオレ竜にとって救いは、今日から4日間の空白だ。東京ドームが使用できず巨人戦が延期となったために生まれた、例年にはないインターバル。

 「ちょうどいいんじゃないか。今、自分たちが置かれている状況を考えてくれないとな」。

 落合監督は不敵に笑った。昨季王者が最下位からの逆襲へ-。表情からは立て直しの自信がうかがえた。