<ヤクルト3-1オリックス>◇26日◇神宮
終わってみれば圧巻の投球だった。ヤクルト由規投手(21)がリーグトップタイの5勝目を挙げ、チームの連敗を5で止めた。5回、自ら招いたピンチに奮起。そこから4者連続を含む三振ショーを演じた。自己最多の13奪三振の快投で、50奪三振もリーグトップに並んだ。
突如としてスイッチが入った。5回だ。由規は連続四球で無死一、二塁とし苦しんでいた。マウンドに荒木コーチが向かい、輪ができた。バントをしてくるだろうが簡単にはさせないようにという確認と「相手に合わせず、自分のペースを貫け」という荒木コーチのアドバイス。さらに捕手の川本から「腕が少し横振りになってる。縦に戻せ」という指摘があった。
何が決め手だったのか。とにかく由規は立ち直った。「自分で招いたピンチ、自分の力で絶対に抑えようと思った」。その回を3者三振で切り抜けると、テンポが上がった。その後も三振ラッシュ。結局、ハッパをかけられた後は、14人から8個の三振を奪った。「今日は決め球の意識が違った。特に直球なんですが、この球でという思いが強かった。13個も取れたんですか?」と、自分でもびっくりの結果だった。
5連敗で任されたマウンドだった。小川監督は守備重視を打ち出し、左翼の守りに不安のある畠山を泣く泣くベンチに置いた。守り勝つという強い意志を持ったオーダーは、強力な先発投手の力があってこそ成り立つもの。その期待にこたえて見せた。
昨年のこの日は当時の高田監督が休養に入った日だ。だが、そこからヤクルトの逆襲が始まったのも記憶に新しい。「同じように、ここから上がっていければいいと思う」と由規。チームは首位に立つが、目指すものはさらに勝ち進むこと。若き速球王の視界をさえぎるものはない。【竹内智信】



