<楽天5-1横浜>◇8日◇Kスタ宮城

 緊張を解いたのは、フルスイングからの安打だった。1軍登録即「7番一塁」で先発出場した横浜中村紀洋内野手(37)は3回、楽天田中の151キロ速球を引っ張り、三遊間をしぶとく抜いた。「吐きそうなくらい緊張しました。ヒットが打ててほっとした」。初打席での復帰安打は、喜びよりも安堵(あんど)のほうが大きかった。

 5回の第2打席は直球にバットを折られ左飛。しかし第1打席に続いてしっかり芯でとらえ、「8カ月ぶりの1軍の舞台で、確実に芯でとらえることができた。(これから)やっていけるなと思えた」。8回はフォークで空振り三振に仕留められたが、沈む球と分かりながらスイング。「いいところにきたので、やられてしまったけど。やっぱり田中はいい投手」と、日本のエースと認める男のボールに対応できたことに、手応えを漂わせた。

 守備ではミスが出た。4回無死一、二塁で、バントを三塁へ悪送球。2点を与える失策に「思い切って行きすぎた。投手に悪いことをした。これからこういうブランクを埋めていかないと」と反省した。ビジターの日本ハム戦までは、この形での起用が濃厚。ミスが敗戦につながっただけに、「チャンスをいただけたら結果を出さないと」と表情を引き締めていた。【佐竹実】