球児にも、誰にも、抜かせない。プロ野球記録の287セーブを達成した中日岩瀬仁紀投手(36)が17日、ナゴヤドームで練習に参加した。未知の領域に足を踏み入れた守護神は「抜かれるか抜かれないかはこれからの僕次第」と不滅の記録樹立へ意欲を燃やした。
まだ先がある。前人未到の記録を樹立した守護神は一夜明け、さっぱりした表情でナゴヤドームに現れた。キャッチボールやダッシュメニューなどで約2時間、調整した。
「おかげさまで意外と友達が多いことが分かった」。
携帯メールの多さに戸惑いの表情だったが、それ以外は普段と同じ。気持ちは「288セーブ目」に向けて切り替わっていた。
「昨日は300セーブって言ったけど、具体的な目標というのは設定できない。抜かれるか抜かれないかは、これからの僕次第」。
新記録が生まれた前日16日。落合監督は「記録というのは破られるためにある」という祝辞を残した。現役時代、唯一無二の「3冠王3度」を記録した指揮官は、プロ野球記録を目にしても冷静そのもの。深読みすれば「破られない記録を作れ」という守護神へのハッパとも受け取れる。
調子は上向いている。体調不良もあって開幕直後は130キロ台だった球速が140キロ台まで上昇。変化球のキレも戻りつつある。一時は5点台まで悪化した防御率も、ここ5試合は自責0。セーブ量産態勢に入っている。
「そのためにやっているわけではないけど、できる限り1つ1つ積み重ねていくしかない」。
ストッパーなら誰もが目標にする金字塔を打ち立てた。ただ、現役生活がここで終わるわけではない。誰も破ることが出来ない「不滅の記録」に1歩1歩、進んでいく。【桝井聡】



