<西武2-5日本ハム>◇3日◇西武ドーム
新ミスターダブルの誕生だ。日本ハムの中田翔内野手(22)が4試合連続で適時二塁打を放ち、チームを4連勝に導いた。6回1死一、二塁から、左中間へ2点打。46打点で両リーグ単独トップに立った。得点圏打率、二塁打数もリーグトップで現在“3冠”。チームの貯金は今季最多の18。ソフトバンクが敗れたため首位に並んだ。
西武ドームの長い階段を上る中田の顔が、思わずゆがんだ。「どんだけ長いねん。ハム(ハムストリング=太もも裏)がちぎれそうや」。蒸すような暑さの中、急勾配の108段に悪態をつきながらも、目は笑っている。4試合連続で勝敗を左右する場面で適時二塁打を放ったからだ。20二塁打は断トツの両リーグ最多。高校通算87本塁打のスラッガーも「今はまったく(本塁打を打ちたいと)思わないね」と、1発よりも打点にこだわる。22歳の“ミスターダブル”が、46打点でついに12球団単独トップに躍り出た。
1-0の6回1死一、二塁。石井一の高めに浮いたスライダーを捉えて、左中間へ。これが2点打となった。その裏に2点を返されただけに、効果的な追加点となった。得点圏打率もソフトバンク内川と並び堂々のリーグトップとなり、打点、二塁打数と合わせて“3冠”。「ずっと1軍で活躍してきた人たちもいる中でのトップなので、自信になる。現時点で、ですけど、もっともっと頑張ろうという気になりますね」とモチベーションは高まる一方だ。
やんちゃな性格から、入団当初は奔放な発言と行動ばかりが注目を浴びた。でも「ビッグマウス」は、「一流でもないのに、大きなことを言うのは格好悪い」とやめた。4番を打つようになっても、その気持ちは変わらない。中田が目指す「一流」は、もっと高いところにあるからだ。
迷いが生じれば、バットを振る。関東遠征の際には、日中にこっそりと千葉・鎌ケ谷の2軍施設でマシン相手に打ち込み、夜の試合に臨むこともある。交流戦期間中に4番を任されるようになった当初は、その頻度が増していった。陰ながら努力することの大切さを、プロに入ってから知った。
福良ヘッドコーチは「すごいな~。今は(4番として)遜色ないね」と、いつも叱り飛ばしている愛弟子の成長に目を見張った。インタビューでは「みんながチャンスをつくってくれたので、何とかしたかった」と謙虚な言葉に終始した若き4番打者。本来のビッグマウスが解禁される日が、待ち遠しい。【中島宙恵】



