<巨人2-6中日>◇3日◇東京ドーム

 455日ぶりのプロ2勝目をかみしめた。中日3年目の伊藤準規投手(20)が今季初登板となった巨人戦で7回2/3を4安打2失点に抑えて今季初勝利。5回2死まで打者14人をパーフェクトに抑える力投。昨季4月4日阪神戦以来の白星。度重なる故障に悩まされたイケメン右腕が、先発ローテーションの座をガッチリつかんだ。

 左翼スタンドからの拍手が心地よかった。8回2死二、三塁。1番坂本に2点適時打を許したところで、セットアッパー浅尾と交代した。プロ初完封こそ逃し、「最後まで投げたかった」と悔しそうにベンチに下がる20歳に惜しみない拍手が送られた。「初回に3点とっていただいてすごく楽になった。良い緊張感があったし、がむしゃらに投げたことが一番良かったんじゃないかと思う」と話す表情は充実感にあふれていた。

 滑り出しから力を入れた。1回の3者凡退に始まり、5回2死で6番阿部に中前打を許すまでパーフェクトに抑え込んだ。186センチとモデル風のスタイルで、真上から振り下ろすような独特の投球フォーム。角度のあるボールを次々と投げ込んだ。

 トンネルは長かった。「早く投げたいという気持ちはあったけど、いつか投げられる日が来ると思ってやってきた」。昨年4月4日にプロ初勝利を挙げながら、オープン戦で11イニング無失点と抑え込んだ巨人戦(同11日)で2回3失点KO。試合後、森ヘッドコーチから「あれが実力。何の魅力もなくなってしまったな。2度と先発で使いません」と酷評された。右肘の痛みもあり、戦列を離れ、8月まで実戦で投げることもできなかった。

 今季のキャンプ終盤には右肩を痛めた。故障しない投球フォームをつくるため、徹底的に下半身を鍛えた。練習後にはポケットサイズのノートに気付いたことを書き込む。練習後に見返すことが日課となった。「これに満足することなく続けていきたい」。

 ファーム日本選手権や10年のオープン戦など、非公式ながら巨人戦で好投し、隠れGキラーと呼ばれた。初めてリーグ戦でライバルから白星を手にした。中田賢の故障や左腕川井の不調で、投手王国のローテーションにも谷間ができていた。20歳の若武者は台所事情を救い、先発ローテの座をワンチャンスでつかんだ。【桝井聡】