珍・夏場対策を、ぶち上げた。ブレーク中の日本ハム中田翔内野手(22)が、体力消耗を防ぐ「レジャー封印」の第1弾をスタートした。今日9日からの楽天戦に備えて8日、旭川入り。かねて国内トップの人気を誇る旭山動物園の来訪に関心を示していたが「行かん!寝る」と、欲望を封印。野球へ集中する高い意識を早くも行動に表し、酷暑の激戦を戦い抜く覚悟をうかがわせた。

 少年時代の夢は、飼育係。広島の自宅への帰省時には、愛するウサギとカメとの再会が楽しみの1つだ。無類の動物好きの中田だが4番を張る今は、未知の動物に会いたい思いを、胸の奥にしまい込んだ。動物の生態を生かした園内演出の「行動展示」が、同動物園の特色。体幹が強そうなペンギンの動作が野球の何かのヒントになるのではと周囲に諭されて一瞬、「なるほどなぁ」と興味を示したが、「それでもなぁ」と未練を断ち切った。

 猛暑、突風の中でのQVCマリンでのロッテ3連戦を終えて一夜明け。「疲れというか、体がダルい」と実感していると明かした。1年間、フルに1軍でプレーするほどの一線に立つのは、プロ入り4年目で初。宿舎入り後は完全静養に努め、充電の時間に充てた。

 「調子が全然、悪い感じでもない」。高いパフォーマンスを維持できる予見はある。8月に最大13連戦が控える勝負どころを見据え、早くも雑念を捨てた。中田の夏ライフの軸は、野球になる。【高山通史】