<横浜4-0阪神>◇15日◇横浜

 横浜清水直行投手(35)が7回無失点の好投で今季初勝利を挙げた。連打を許したのは1度だけ。得点圏に走者を背負いながらも、低めに球を集め、自分のリズムを崩すことはなかった。「チームに迷惑をかけたし、(広島からの)移動ゲームだったので、何とか1人でやってやろうという思いだった」と、充実の表情で振り返った。

 前半は真っすぐで押した。低めへの直球を軸に、要所でキレのあるスプリットで勝負。6回2死二塁では、第1打席で外角直球で凡打に仕留めていたブラゼルを、第2打席に続き、この勝負球で料理。一ゴロに打ち取ると、大きなガッツポーズが飛び出した。

 4月21日広島戦で右肩を痛め、2軍での調整の日々が続いた。それでも「勝負勘だけは失わないように」と、1軍の試合をテレビで見て、流れや雰囲気を感じ取ることに努めた。横須賀での練習では、若手に交じり、ダッシュやコンディショニングなどあらゆるメニューに全力で取り組んだ。練習を見守った川村2軍投手コーチは「その努力の継続が、1球に全力を込めることに自然と生きてきていると思う」と評した。

 昨季9月14日阪神戦以来の白星。「全部勝つ気で帰ってきた。投げる試合は腹をくくって、根性入れて投げたい」。先発陣に苦しんだチームに、頼もしい男が戻ってきた。【佐竹実】