<巨人2-1中日>◇19日◇ハードオフ新潟

 巨人内海哲也投手(29)が、前半戦最後の登板でセ・リーグ一番乗りの10勝目をマークした。波に乗れないチームを鼓舞するかのように、123球を粘り強く投げて7回を4安打1失点。約1カ月見放されていた白星をつかみ、2年連続の2ケタ勝利。防御率(1・50)ではヤクルト館山を抜いて、6月17日以来のトップに立った。

 節目の1勝も、内海には通過点にすぎなかった。試合後、守護神東野から受け取ったウイニングボール。スタンドに投げるフリを見せた後輩を笑いながら、間髪入れずスタンドにボールを投げ入れた。「後半戦勝てないと、前半戦の頑張りが無駄になる。調子を維持できるように」。5度目となる2ケタ勝利の余韻は、すぐに後半戦で巻き返すという意欲に変わっていた。

 ボールを受けた阿部が「スピードガンが壊れてるんじゃないかというくらいボールが速かった」と評した直球は最速147キロをマーク。試合後に「壊れてません」と言い返したように、打者の空振りが直球の走りを物語っていた。1点リードの7回2死一、三塁、カウント3ボール2ストライクから直球を選択。123球目のラストボールで小山を空振り三振に仕留めた。

 2ケタ勝利に王手をかけてから5戦目。約1カ月間、勝てない日々が続いても、貫いたのは「一生懸命」だった。投手にもかかわらず、打撃の際には一塁へ全力疾走。アーリーワークは1日も欠かさず続けた。

 内海

 (全力疾走は)正直、しんどいです。でも、続けていけば、何かが変わってくると思うんです。チームがこういう状況の中、大事なのは一生懸命やること。当たり前のことかもしれないですが、自分の姿を見て、チーム全体に勢いがつけばいいなと。

 試合後、原監督は「投手は投げるだけじゃないんだと。打席においてもね。時に内野安打を狙って全力疾走したり。勝負に対する強さも勝負師として増したと思います」と評価した。リーグ一番乗りの10勝目で、防御率とともにリーグ2冠を奪取。チームは4位に浮上した。選手会長の真っすぐな思いが、低迷するチームを変える起爆剤になる。【久保賢吾】