<巨人2-0阪神>◇4日◇東京ドーム

 パワーアップして、戻ってきた。巨人内海哲也投手(29)が阪神打線を8回4安打10奪三振無失点で、再びハーラーダービー単独トップに立つ11勝目(2敗)。早くも昨年に並ぶ勝ち星をマークした。オールスター第3戦で左肩に打球が直撃して出場選手登録を抹消されたが、影響を感じさせない気迫の128球だった。

 単なるケガからの復帰ではなかった。力強さを増した内海が、チームの中心に帰ってきた。「1戦目が重要になると思っていたので、いいピッチングができて良かった」。自らに課した重圧から解放された安堵(あんど)感が胸を支配した。

 ショックを力に変える精神的な強さがあった。オールスター第3戦で打球が直撃。「患部の状態次第なんで分からない」と言ったが、最短10日間での復帰を決意。アイシングに加え、都内の治療院に出向き、酸素カプセルを使用した。「1分、1秒でも早く治すこと」を念頭に、懸命のリハビリ。「驚異的な回復」に直結した。

 力強さを証明したのは、100球を超えた8回だった。無死二塁のピンチに3者連続三振で、ラストスパートを決めた。128球を投げても、スタミナは衰えなかった。抹消中の10日間はインナーマッスルを鍛えるPNF、ウエートトレーニングで肉体を鍛え直した。例年なら前半戦の疲れを考慮しながらの「調整」になるが、「強化」をテーマに設定。ランニングなどの本数も増やし、負荷をかけたトレーニングで体を鍛え上げた。「元の状態で戻るのではなく、パワーアップした状態」という個人トレーナー保田氏の証言が、状態アップを物語る。

 昨年は開幕戦から4連勝を飾ったが、左脇腹痛で離脱。最短10日で復帰したが、好調は持続できなかった。2年連続での離脱に「チームに迷惑をかけてしまって」と落ち込んだが、「背負いすぎず、10日間やってきたことを出すつもりだった」と精神的にもたくましさが増した。己を信じた復活ロードが、低迷するチームの逆襲ロードへと続く。【久保賢吾】