<中日2-3巨人>◇16日◇ナゴヤドーム

 原巨人が3連勝で、5月以来の貯金生活に入った。2回無死一、二塁で8番古城に強攻させて成功。9番ゴンザレスの先制打、1番坂本の2点適時打を呼び、中日先発ネルソンから3点を奪った。その3点を継投で守りきり、5月21日以来の貯金1。もよおし打線に続き、原監督の采配もさえ始め、阪神を抜いて2位に浮上だ。

 守護神久保のマウンドさばきを、ベンチの原監督は微動だにせず眺めた。最後は空振り三振。5月21日以来の貯金1。4月21日以来の2位浮上。数字上、節目を飛び越えた瞬間にも、感情を表に出さない。淡々とハイタッチをするだけだった。会見でも、「貯金なんてできていない!」と、「勝率5割=貯金3」という原理論を用いて、朗らかに一蹴するだけだった。

 積極性が生んだ勝利だった。2回だ。小笠原の安打と阿部の四球で無死一、二塁。打席に立った8番三塁スタメンの古城は「バントもあるかなと思ったけど、サインが出ていなかったから。つなごうと思っていて、イメージ通りの打撃ができました」。1ボールからの2球目のスライダーをたたきつけ右前打。無死満塁と好機を広げ、9番ゴンザレスの先制打、1番坂本の2点適時打につなげた。

 無死一、二塁。打者8番。序盤とはいえ、犠打で1死二、三塁とすることも考えられる場面。試合前の古城の打率は1割7分3厘。試合前2割5分4厘だった亀井を押しのけての古城起用の理由を、原監督は「フル(古城)、今当たっているよ。亀は(ベンチに)いてくれると左の代打が1人残っているんで、それも貴重な戦力ですから」と、総合的な判断と話す。バントの可能性について、岡崎ヘッドコーチは「なかった」と、迷わずヒッティングだったことを明かした。

 3日阪神戦でサヨナラ本塁打を放ち「茂ちゃんフィーバー」と叫んだ古城が、積極的采配に、積極的打撃で応えた。原監督は「彼のいいところがでましたね」と、満足そうに振り返った。前半戦では、1点を取ることに四苦八苦。手堅くバントを選択しても、むしろバントミスが目立っていた。だが、今は違う。9日の横浜戦では無死一塁から坂本、藤村と2者連続バスターを仕掛けるなど、攻撃の多様性が、相手を混乱させている。

 ジンクスは過去のものとした。昨年は9連敗を含む2勝10敗と鬼門だったナゴヤドームも、今季は3勝1敗。中日との残り試合が14も残っていることを考えると、竜をお得意さんに仕立てあげられれば、ヤクルト追撃への強みになる。「まだまだこれからですよ」。一喜一憂はしない。すっかり、原監督のペースがもよおしてきた。【金子航】