<中日2-1巨人>◇18日◇ナゴヤドーム

 起死回生の逆転弾だ。中日和田一浩外野手(39)が、73打席ぶりとなる10号2ランを放った。1点を追う7回1死三塁で、巨人小野のシュートを、左翼スタンド最前列に突き刺した。打撃不振に苦しんでいた男がチームを救い、混沌(こんとん)とするAクラス争いに踏みとどまった。

 苦しみ見抜いた男が面目躍如の逆転弾だ。1点を追う7回1死三塁。初対戦となった巨人小野の5球目シュートに体が反応した。バットでたたきつぶした打球はふわりと舞い上がって左翼ポール際に吸い込まれた。7月26日阪神戦(甲子園)以来、19試合ぶり、実に73打席ぶりとなる本塁打だ。無表情の背番号5とは対照的に、中日ベンチのボルテージは最高潮に達した。

 和田

 状況としては一番楽なところで打席に入らせてもらった。とにかくランナーが三塁だったんでファウルになるなと思って走ってました。

 一丸でこじ開けた逆転劇だった。プロ2年目で初めて3番に起用された大島が先頭で打席に立つと、しぶとく左翼線へ二塁打。続く森野が4番としては今季2度目となる犠打を成功させた。何としても1点を取りにいく。泥臭くつないだ結果が、和田の本塁打につながった。

 この試合までのチーム打率は両リーグ最低の2割2分6厘。6日横浜戦(ナゴヤドーム)で大量7点を奪って以降、直近8試合で総得点は9。うち3試合は完封負けで、1試合平均1点あまりという貧打ぶりだった。16試合打点を記録していなかった和田は、責任を一身に背負い込んでいた。

 試合前には森野と並んで2日連続の早出特打を実施。約30分間、コーチ陣が投げる球を打ち続けた。「どうにもこうにも結果が出てないので。まだ2日しかやっていない。やっていくしかない」。がむしゃらだった。

 インタビュールームに現れた落合博満監督(57)は「野球ってこういうもんなんだろうな。こういうもんなんだよ」と笑みを浮かべた。前日17日は左の柱チェンが完封。そしてこの日は主砲の2ランで試合を決めた。巨人に2連勝。本来の形に持ち込めば、自然と白星が転がり込む。低迷を続けていたチームにとっては、失いかけた自信を取り戻すような試合だった。【桝井聡】