<巨人3-2ヤクルト>◇19日◇東京ドーム
チームの連敗を2で、自身の連敗も3で止めた。ルーキー沢村拓一投手(23)が首位ヤクルトに8回途中8安打を浴びながらも1失点で、7月9日以来の6勝目。前回12日の登板後に原監督から「そろそろ学習しないと」と注文をつけられ、丸刈りで出直した右腕が、真価を問われたマウンドで結果を残した。チームも再び勝率5割に戻した。
沢村のストロングスタイルだった。得点圏に走者を背負った5回1死一、二塁、6回1死二塁、7回2死二塁。ウイニングショットに選んだのは最大の武器である直球だった。「僕は真っすぐのピッチャー。今日はとにかく真っすぐで押そうと思っていた」と振り返ったように、自慢の直球でヤクルト打線をねじ伏せた。
名古屋遠征から帰ってきた前日18日。導かれるように、寮にある1枚のDVDを手に取った。寮の自室で食い入るように見つめたのは、昨年のドラフト会議の映像だった。
沢村
僕が何を評価されて、ジャイアンツに入ってきたのか。何を必要とされて、指名されたのか。考えた結果、勝つことだなと。寒い日もわざわざグラウンドに足を運んで、とっていただいたスカウトの方々にも結果として恩返ししなきゃ、申し訳ないなと。
念願の巨人に入団が決まった瞬間、涙を流した。思い出させてくれたのは、自分の真のスタイルだった。
90球を投げ、7割近くの60球が直球。最速は149キロだった。監督通算600勝に王手をかけた原監督も「変化球に頼り気味なところがあったんですが、実松もね、真っすぐの使い方が上手だった。したがって変化球も生きてくる。パターンが、何パターンもあったよね。攻めている、バッターに対してね」と絶賛する投球内容だった。
7月9日広島戦の5勝目以降、4試合勝ち星なし。「開き直って、思い切ってやるしかない」と前向きな姿勢は失っていなかったが、1度は完治した発疹が両足に再発。眠れない日々が続いた。「今までこんなことなかったんですけど…」と漏らした。現状を打開するために丸刈りを決行。悩み、もがいた末に出した答えは、原点回帰だった。「今後も勝っていかなきゃいけないです。勝ってナンボなので」。マウンドと同様に、コメントにも力強さが戻ってきた。【久保賢吾】



