イチローが欲しい!

 来季から中日の指揮を執る高木守道氏(70)が23日、壮大な補強プランを明かした。来季への補強について、マリナーズ・イチロー外野手(37)を挙げた。推定年俸1800万ドル(約14億4000万円)で、来季契約を残すメジャーの顔を獲得するのは、現実的には至難の業。それでもベテラン新監督はあえて名前を挙げ、並々ならぬ決意を示した。

 オレ流からバトンを受け継ぐ次期監督はテレビ解説のためナゴヤドームを訪れると、大勢の報道陣に囲まれた。「オレ流ならぬ、高木流は?」と問われると「私には何もありませんよ」と謙遜したが、なんの、なんの。ここから高木流“びっくりトーク”を繰り広げたのだ。今オフの補強を問われると、にやりと笑って言った。

 「選手は欲しい。イチロー、福留(孝介)、川上(憲伸)もいるね。契約も切れる選手がいますから」

 中日からFAで米大リーグへ移籍した福留、川上なら話はともかく、世界的スーパースターであるイチローの名前が出ると、報道陣からは驚きの声とともに笑いも起きた。すると、高木氏は笑みを浮かべたまま、こう続けたのだ。

 「冗談みたいだけど、実際のところ来てほしい。今日、たまたまチチローさんに電話しました。イチローにぜひと伝えてくださいと言ったら、『言っときます』と言ってました」

 何とチチローことイチローの父・鈴木宣之さん(68)を通じイチローへラブコールしたという。宣之さんは「高木さんは昔からイチローを欲しがっていたんです。以前ゴルフをご一緒させていただいたときに伺って、うれしかったことを覚えています。それがあって、今回もそういう話をされているんじゃないでしょうか」と話した。91年オフ、高木氏が中日監督として初めてのシーズンを迎える前のドラフトで地元・愛工大名電高のイチローに注目していたが、チーム事情で指名できず、後悔したという。

 実際は、球団が落合監督を退任させた背景に経営健全化の目的があるだけに、年俸10億円以上のスーパースター獲得の現実味は限りなく薄い。それでもあえて名前を出したところに、高木氏の来季にかける意気込みが込められている。

 また、当面の懸案事項である組閣については「私には人脈がないのでOBしか知らないんです。コーチの選手時代を知っていることも地元のファンには必要」と、補強案とは対照的に堅実なOB路線を明言した。「イチロー獲得」は観客動員減に悩む球団に来季を託された新監督のリップサービス?

 それとも…。