<中日1-0巨人>◇9日◇ナゴヤドーム
表情を変えず、巨人原辰徳監督(53)は会見場所に現れた。逆転優勝に向け、絶対に落とせない一戦は、延長10回のサヨナラ負け。毎回走者を出しながらの完封負けに「あと1本が出なかったですね。0点じゃね」と振り返るしかなかった。勝負事に「れば…」「たら…」はないが、それでも悔やまれる敗戦だった。
中日の先発チェンを打ち崩せなかったのはもちろんだが、あと少しの「準備」が出来ていれば違った結果になったかもしれない。3回1死一塁から寺内が送りバントを失敗。4回無死二塁という決定的な先制チャンスでは、二塁走者のアレックス・ラミレス外野手(37)が世紀のボーンヘッド。打席の矢野が高めのボール球を見逃すと、ラミレスが飛び出して谷繁の送球でアウト。記録は痛恨の盗塁死となり、ラミレスは「自分のミス」というコメントを3回繰り返した。
一般的に、チェンのような速球派投手が送りバントに対処する場合、フライや走者の飛び出しを狙うため、バントしにくい高めの速球を選択する確率が高い。打者や走者が一番気を付けなければいけない球でもある。勝呂内野守備コーチは「自分の(走る)スピードを考えて、いいスタートをという意識が強かったんだろう」と言うが、チェンを相手にした試合。確認作業をさせ、選手に意識付けをさせるべきだった。
3連勝を狙った中日3連戦は1勝1敗1分け。まだ3試合を残しているが、徳俵に足がかかり、もろ差しで寄り切られる寸前の状態に陥った。「奇跡」の2文字が、また薄れてしまった。【小島信行】



