ダメならすぐ落とす。DeNAのスタッフ会議が11日、横浜市内で行われ、2月1日から沖縄で行う春季キャンプで三浦大輔投手(38)の2軍スタートが決まった。中畑清監督(58)は、チーム再建に向け、競争意識の徹底を全コーチ陣と確認。実績あるベテランをあえて2軍スタートさせることで、キャンプ初日から若手は積極的なアピールが必要となる。横一線を明言している“中畑流”の厳しさを、しっかり示した。

 キヨシ流の“ショック療法”だ。キャンプ初日から張り詰めた緊張感を持たせるため、チームの顔である「番長」三浦を2軍スタートさせることを決めた。中畑監督は「三浦の技量は十分分かっている。本人は(1軍で)一緒にやりたいでしょうが、ちょっと待てと。若手にチャンスを与えたい」。ケガなどが理由ではなく、競争意識を徹底するための戦略的判断。野手でもベテラン中村紀洋内野手(38)の2軍スタートが濃厚で、「競争に負けたら取りこぼしますよ、という空気にならないといけない」と、厳しい姿勢で臨む決意を示した。

 若手にとってはチャンスだが、もちろんポジションを与えるわけではない。キャンプは徹底的に鍛え上げる場。序盤から実戦形式の練習を取り入れていく予定で、「サインプレーも早い段階で取り入れる。最初からふるい落とし。乗り遅れたら、どんどん入れ替える」。

 三浦ら実績あるベテランが、2軍で仕上げながら、虎視眈々(たんたん)と1軍合流を目指す。若手はそのプレッシャーに負けず、初日から全力でアピールし続ける。中畑監督が思い描くのは、そんなサバイバルだ。

 ベテランも最初から1軍行きが約束されるわけではない。信頼があるからこその2軍スタートだが、「きちんとモチベーションを高く持たせた方がいいけど、年齢的な問題もある。変なわだかまりを持たせないようにしないといけない」。方針に基づく意図を説明し、逆に発奮材料にしてほしいとの狙いもある。

 この日の会議では、1軍、2軍のメンバー選定など具体的な内容は、ほぼ担当コーチの判断に任せた。中畑監督が伝えたのは「妥協できないチームだということ」だけ。若手もベテランもない。横一線からの競争から、戦える戦力を見極めていく。【佐竹実】

 ◆DeNAキャンプメモ

 1軍は宜野湾、2軍は嘉手納で行う。1軍メンバーは投手20人、野手20人の40人を予定。2軍は30人予定。日程は、第1クールは5勤1休で第2クール以降は6勤1休。紅白戦は2月11日開始予定。練習試合は同16日の日本ハム戦(名護)から5試合予定で、オープン戦初戦は同25日巨人戦(沖縄セルラー那覇)。<キヨシ流アラカルト>

 ◆キャプテンは指名せず

 「選手の中から自然に見えてくる。こちらから指名する世界じゃない。子供じゃないんだから」。

 ◆ルーキー声を出せ

 「金の卵と思っていない。最初からアピールが大事。どんどん使って下さいとアピールしないといけない」。

 ◆カラオケで勝負!

 「キャンプ中も、気晴らしになる時間があればいい。俺とカラオケ勝負したいヤツがいたら、断るわけにはいかない」。