ロッテが大松尚逸外野手(29)の一塁手転向計画に、巨人、横浜で活躍した駒田徳広氏(49)を1軍春季キャンプの臨時コーチとして招聘(しょうへい)することを24日、発表した。2000本安打を達成した名球会メンバーだが、今回の主な依頼は一塁守備の指導。昨季まで外野の大松が今季からコンバートで守備が課題となる。そこで白羽の矢が立ったのは、一塁手として史上最多の10度のゴールデングラブ賞を誇る駒田氏だった。

 西村徳文監督(52)は「同じ左利きだし、大きな体の人の動きへの指導は、我々がなかなか入り込めない。打撃の指導は今は考えていない」と守備限定の狙いを明かした。184センチの大松に対し、駒田氏は191センチとともに大型。ショートバウンド送球に対する捕球や、バント処理に定評のあった駒田氏から学べることは多い。

 大松は今月下旬までの宮古島での自主トレでは守備練習も精力的にこなした。昨季は2本塁打に終わったが、08年には24本塁打をマークした貴重な和製大砲。西村監督は「やってもらわないと困る」と奮起を促す。1~9日まで指導予定。往年の名手、駒田氏の指導で大松が生まれ変わる。【広重竜太郎】

 ◆駒田徳広(こまだ・のりひろ)1962年(昭37)9月14日、奈良県生まれ。桜井商から80年ドラフト2位で巨人に入団。83年4月の大洋戦で、史上初となる初打席満塁本塁打デビューし、以降「満塁男」の異名を取る。89年に日本シリーズMVPを獲得。93年オフにFA宣言し横浜に移籍。00年に2000本安打を達成。同年現役引退。05年に楽天、09年に横浜で打撃コーチ。左投げ左打ち。