中日の沖縄・北谷キャンプにテスト参加しているビクトル・ディアス外野手(30=メキシカンリーグ)が、今日13日に契約を結び、入団が正式発表される。12日は韓国サムスンとのアジアSBに5番DHで出場し、2打数1安打。対外試合2試合の打率を、チームトップの6割とした。メジャー通算24本塁打の大砲ながら、安打製造機ぶりも発揮。テスト生からの大化けを予感させた。

 ディアスが器用に内角球をさばいた。5回先頭で打席に立ち、2球目の鋭い内角直球に反応。長く太い腕を起用にたたんで三塁線を破る二塁打とした。まるで教科書のような打撃。前日11日の韓国LG戦(北谷)ではセンター返しでお手本のような中前打2本。これで対外試合2試合で通算5打数3安打。6割の打率と安打数はともにチームトップ。胸を張って、今日13日に竜の一員となる。

 ディアス

 今日は高木監督にも良かったと言ってもらったよ。最初はバットが下から出ていたけど、監督に教えてもらったドリルをやるようになったことが、結果につながっている。

 キャンプ初日から、70歳の指揮官の指示でパイプ椅子に座ってのティー打撃に取り組んできた。アッパー気味のスイングをレベルに近い形に修正するための練習。この「ドリル」で、パワーヒッターが確実性を身に着けようとしている。来日前は球団首脳が「ホームランも多いが三振も多いタイプ」と説明。大味な大砲と見られていたが、大化けの予感が漂い出した。「200本は打ちたいね」と、大きな目標も口にした。

 打線の強化が急務の高木監督も、納得の笑みを浮かべた。11日のLG戦の2本の中前打がよほど好印象だったようで「今は“ミスターセンター返し”と呼んでいる」と話し「パワーのある本塁打も見てみたい」と注文を追加。確実性とパワー。相反する要素を求めたくなるほどの魅力があるようだ。態度も二重丸。「わがままな選手にはならない。チームが勝てるように力を出すだけ」。激戦の外野手争いに、かつてのメジャー・リーガーが殴り込みをかける。【八反誠】

 ◆ビクトル・ディアス

 1981年12月10日、ドミニカ共和国生まれ。18歳の時にドジャースからドラフト指名を受ける。04年にメッツでメジャー初昇格。同年から06年まで松井稼頭央(現楽天)とプレー。05年は自己最高の12本塁打&38打点。メジャー通算147試合、打率2割5分6厘、24本塁打、73打点。09年は韓国ハンファでもプレー。182センチ、95キロ。右投げ右打ち。