“ポスト青木”を目指すヤクルト上田剛史外野手(23)が14日、中日との練習試合で5打数4安打を放った。公私に尊敬する青木の抜けた「1番・中堅」での活躍で、レギュラー取りへ、小川淳司監督(54)に猛アピールした。

 持ち前の打力は、存分に見せつけた。試合後、上田は「完璧な当たりは2本目のセンター前だけだけど、内容はあった」。4安打のうち2本は左腕から打ったもので、安打は全て低いライナーかゴロで内野を抜けた。「自分の打ちたい打球が打てています」と胸を張った。

 ポスト青木を目指すための“脱・青木”だった。キャンプ初日には青木の打撃フォームをまねていたが、構えたグリップの位置をやや深めにして、柔らかくバットを握り、トップの位置をやや後方に矯正した。元ヤクルト監督の若松氏や伊勢コーチの助言だが「バットをしならせ、ヘッドの重みを感じて打つ。ポップフライが少なくなったし、強い打球が打てています」と手応えを感じている。

 青木の抜けた穴は大きいが、上田が匹敵するような活躍ができれば、大きな戦力ダウンにはならない。むしろ、俊足を生かした機動力と守備範囲の広さは青木よりも上。昨年、惜しくもV逸し、雪辱を期すチームの大きなカギを握っている。【小島信行】