巨人史上最強の「ドクターK」誕生を予感させた。杉内俊哉投手(31=ソフトバンク)が23日、移籍後初の対外試合に出場。韓国プロ野球のハンファ相手に2番手として4回から3イニング登板し打者10人に対し、振り逃げを含む6三振を奪った。最速141キロの直球、120キロ台のスライダーとチェンジアップで相手打線のバットはクルクルと空を切るばかり。巨人では81年の江川卓以来31年ぶりの年間200奪三振達成が見えてきた。

 いや~、気持ちいいね~!

 無敵巨人軍に加わった杉内の奪三振ショーだった。まずは先頭打者。低めの外角直球で2ストライクに追い込み、4球目は膝元に沈むチェンジアップで、あっさり空振り三振を奪った。「今日は割と自分が思っていたボールを投げられた。三振が取れたということは直球も変化球も切れがあるということ」。続く2番打者は、たった2球で二飛に片付け、3番打者は外角へのチェンジアップで空を切らせた。

 いかにボールが切れていたか象徴する場面は、登板最終回の珍しいプレーに表れた。9番打者に対しての5球目。2ストライクから内角低めのスライダーで空振りを奪ったが、キャッチングに定評がある捕手阿部が捕り損ね、振り逃げを許した。さらに、代打鄭に投じた4球目は、鋭く内角へ切り込む124キロの変化球に空振りした後、打者の体に当たる始末。阿部も「想像の軌道よりも曲がったんで捕れなかった。空振りでなかなか体に当たらないでしょ。それだけ良かったってことでしょ」と大きくうなずいた。

 数々の大投手たちが30年間、破れなかった「江川超え」も、もはや難しい壁ではない。杉内自身は10年に自己最多タイの218奪三振で奪三振率10・74(歴代4位)の記録を持つ。「追い込んだら三振を取りたい気持ちはあります。チェンジアップで取る空振りは気持ちいい」。三振に固執するわけではないが、投手としての醍醐味(だいごみ)であることには間違いない。

 気持ち良さそうにリードした阿部も「全部の球種で勝負できる。どれでも三振が取れる」と太鼓判を押した。杉内は「有利なカウントから勝負できたのが良かった。阿部さんがストライクを取りに行く配球をしてくれたので助かりましたね」。涼しい表情に余裕と自信が漂った。【為田聡史】