<オープン戦:阪神2-2巨人>◇11日◇甲子園

 レフティーズ結成だ!!

 巨人育成選手の大立恭平投手(24)が11日、3番手として登板。鳥谷には四球を与えたが、4番ブラゼルを3球三振に仕留め、支配下登録が当確といっていいアピールに成功した。

 大立は阪神の主砲ブラゼルにガチンコ勝負を挑んだ。「イメージ通りの攻めでした」。ストライクゾーンへの直球2球で追い込むと“勝利”を確信。最後は腕を、目いっぱい振って118キロのカーブで空振り三振を奪った。鳥谷に対して四球を与えた直後だったが「阿部さんから『真ん中でいいから投げ込んでいけ』と声をかけてもらった。それでほっとしました」。支配下登録への決断について原監督は「戦力で必要という言葉が一番重要。まだ早いでしょうけど、十分に可能性があるよね」と評価した。

 宮崎キャンプ中に1軍に抜てきされ2次キャンプの沖縄にも同行した。この日の最速は140キロにとどまったが、落差のある変化球を売りに支配下選手登録をほぼ手中に収め、さらには開幕1軍も現実味が出てきたが「早く2ケタの背番号になって、同じ土俵に上がりたい」と、1歩ずつ着実に高みを狙う。

 中継ぎ左腕は高木康、星野も好投。高木康は「若い力とぼくらがやってきた力が合わさってジャイアンツの力になればいい」と、共闘を誓い、星野も「狙っているポジションはみんな同じ」と表情を引き締めた。

 巨人の左腕といえば、FAで加入した杉内、生え抜きエース内海、中継ぎ筆頭の山口と、豪華な顔ぶれがそろう。岡崎ヘッドコーチは左の中継ぎ陣について「山口の前に絶対に1人、2人は必要」と指摘。大立も加わった「無敵・左腕王国」が完成すれば3年ぶりの頂点が、ぐっと近づく。【為田聡史】

 ◆大立恭平(おおだち・きょうへい)1987年(昭62)8月20日生まれ。岡山市出身。興陽高3年夏の05年岡山大会1回戦で1試合21奪三振(延長10回)の大会タイ記録。中国地区連盟の岡山商大に進み、3年時に大学日本代表候補。09年育成4位で巨人入り。1年目は肩、肘の故障があり登板がなかったが、2年目の昨年は2軍で9試合出場、勝敗なし。最速148キロ。179センチ、72キロ。左投げ左打ち。