<オープン戦:オリックス4-6巨人>◇14日◇京セラドーム大阪
巨人坂本勇人内野手(23)に待望の1発が出た。21打席連続無安打で迎えた6回の第4打席、オリックス小松の内角直球を巧みにさばいて左翼席へ逆転2ラン。試合前に受けた原辰徳監督(53)の直接指導に一発回答した。沈黙続きの打線も、今オープン戦最多の13安打で6得点。若きリードオフマンが復調ののろしを上げるとともに、無敵巨人打線がいよいよ、もよおしてきた。
坂本の体がコマのように、くるりと回った。オリックス小松の134キロ内角直球に、すり足気味にタイミングを取った下半身と上半身が一体となって反応した。「うまく上と下のバランスが合った。うまく回転できたなと」。この打席まで21打席連続無安打とは思えないような美しいスイングが、逆転2ランを生んだ。
昨季の反省が今季の出発点だ。「(31本塁打の)2年前のイメージを持ちながらやっていた部分がある」。だからこそ、今キャンプは「タイミングをどう取るか」に集中した。足の上げ方もすり足気味に変え、構えた時のグリップ位置や角度も試した。オープン戦で結果が出なくても「『こういう風にタイミングを取ってみよう』『こういうトップでいこう』とか、いろいろ考えながら打席に立っています」とぶれなかった。
金言も授かった。13日の早出特打後、原監督から「ハヤト!」と呼ばれ助言を受けた。この日の打撃練習前にはブルペンで直接指導。主な内容は「軸です」と坂本。これまでの積み重ねにしっかりしたスイングの軸を作ったからこそ、きれいな放物線は生まれた。「『ダメダメ』と思っていると良くならない。やることをやって臨めば大丈夫だと思ってました」。信念を貫いた先に光が見えた。
坂本の1発は打線が“もよおしてきた”ことを意味する。チーム4安打の13日試合後、原監督は「オーダーを組んだ私が恥ずかしい」と自嘲気味に話し、坂本がしっかりすれば打線もしっかりするかと聞かれ「異議なしだね」と語った。この日は「どういう状況でも先頭に立ってチームを引っ張らないと」と賛辞を贈らなかったが、これも高い期待の表れ。坂本も「たまたま1本出ただけ。『この形が一番いい』って自然にできれば一番いい」と表情を引き締めた。無敵巨人打線の1番打者が求めるものは、もっと先にある。【浜本卓也】



