巨人宮国椋丞(りょうすけ)投手(19)が、8日の阪神戦(甲子園)でいよいよプロ初先発する。巨人の10代投手がデビュー戦で勝利すれば、83年槙原寛己以来となる。沖縄・糸満高時代、「夢だった」が届かなかった舞台で、偉業に挑む。
ジャイアンツ球場で練習を終え、慌ただしく広島行きの新幹線に乗った。宮国はチームに同行して最終調整を行い、伝統の一戦でデビューする。「小さいころから夢があった。本当は高校で行きたかったです」。焦がれた黒土のマウンドが待ち遠しいのかと思いきや、続いたのは意外な言葉だった。
宮国
不安です。楽しみは少しだけ。打たれて当たり前と思っている。打たれてもゲームを作っていくことだけを考えて投げたい。
謙遜ではなく19歳の本音だった。ローテ入りへの最終テストは3月25日のアスレチックス戦。メジャー相手の9奪三振でキップを得た。数字だけみれば絶好調に見えるが、本人の感覚はその逆だった。
投球フォームに疑いを持っている。キャンプからアピールの原動力だった、美しいラインを誇る直球が、カット軌道してしまう。狙って出せない軌道は、技術的な問題点があるからと解釈している。1日のファーム戦でも疑問は晴れていない。日本ハム2軍打線にことごとく、バットの芯に合わせられた。7回2失点で準備OKとは思っていないから、「不安」という言葉を前に出した。
取り組みについて「具体的には…」と明言を避けた。宮国は投球メカニズムへの探求心が非常に旺盛。周囲は気付かないであろう微調整を重ねる。迷いを出来るだけ消して晴れの舞台に立てるか。まだ時間はある。この1週間で最後のハードルを越える。【宮下敬至】



