<巨人5-1ソフトバンク>◇20日◇東京ドーム

 5安打で4点を奪取した巨人4回の攻撃には、開幕から苦しんだ貧打の姿などもうなかった。先頭坂本勇人内野手(23)が4号ソロ。「うまく反応できた」と、シュート気味に食い込んでくる内角直球に対し左ひじを抜いてさばいた。「フェンスに当たるかと思いましたけど、越えてくれました」と高い技術で口火を切った。

 ソフトバンク岩崎の持ち球を、放射状に打ち返した。阿部は直球を左前へ。高橋由はチェンジアップを右前へ。沢村はスライダーをたたき2打点。長野がアウトローの厳しいスライダーを適時内野安打すると、三塁側ベンチの秋山監督が思わず苦笑いした。一見、個人技の集積に映る。だが岡崎ヘッドコーチが「ベテランも若手も、みんな何とか工夫しようとしていることが、出てきてるんじゃないかな」としたように、ただ復調を待っていたわけではなかった。

 試合前の打撃ケージ周辺が活発になった。ティー打撃のエリアで数人が長野を囲み、軸足が流れないよう右膝を押さえている。ボウカーには原監督が直接指示を送り、この日は素手で打席に立った。分析の仕事を終えた橋上戦略コーチがふらりと現れ、雑談形式で指示を与える。原監督が「地に足を着けて戦えている」と言ったように、選手と首脳陣が積極的に関わり合い、課題をつぶしている。

 勝ったからよし、のコメントも聞こえなくなった。岡崎ヘッドが「結局、あの回だけだった」とすれば、長野も「その前の打席、1死二塁であんな打撃してるようじゃ、話にならない」と厳しい。原監督も同じ。「DHになっても、今のバランスを崩さず戦っていく」と締めた。【宮下敬至】