<ロッテ2-4巨人>◇25日◇QVCマリン

 渋~い役者の働きで巨人が3年ぶりの10連勝だ。2回1死一、二塁で、7番谷佳知外野手(39)が中前適時打を放って先制。5回には不振が続いた8番ジョン・ボウカー外野手(28)が中前打で出塁し、長野と坂本の適時二塁打を呼び込んだ。派手さはないが、効率よく得点を重ねる打線を、担当記者は豊かな渋みのある高級ワインのようだと直感し「ロマネ・コンティ打線」と勝手に命名。ワイン好きの原辰徳監督(53)に提案してみました。

 10連勝。なんて甘美な響きなんだろう。

 安打、進塁打、好走塁が複雑に絡み合う「渋い」攻撃は、まさに高級ワイン。「ロマネ・コンティ打線」と呼ぶしかない。原監督は「10連勝。やっちゃった?

 不思議ですか?」と勝利の美酒には酔わなかったが、「今日は非常に効果的にいい得点の仕方」と、打線に及第点。ノーアーチながらも打者が線となって、ロッテ渡辺俊を5回で引きずり下ろした。

 ワインに含まれる「タンニン」のような?

 渋いプレーが勝利に結びついた。まずは8番ボウカー。ここまで引っ張っての二ゴロが多く、周囲に渋い顔をさせてしまっていた。だが、この日は中前に2安打。試合前にボールがホップしてくる下手投げ対策として、ダウンスイングを仕込まれていた。「練習から試合でできるように意識していた」とボウカーは納得の表情。村田打撃コーチは「『しゃくっちゃあかんよ、たたきつけろよ~』というこっちゃ」と、指導の成果に笑顔を見せた。

 渋い走塁も効果的だった。6回。二塁打で出塁した阿部が、次打者高橋由の遊ゴロで三進に成功した。「サードが前に出ていた。そういうのを冷静に見られたのが良かったね」と阿部。相手のすきを見逃さず1つ先の塁を狙った成果が、試合を決める谷の2本目の適時打につながった。原監督は「ヨシノブのあの部分ね、しっかりとお互いの意思疎通ができたのでしょうね」と意識の高さを褒めた。谷は2回の先制適時打を含む効果的な2打点に「いいつなぎができました」。渋みがギュッと凝縮され、打線のうまみ成分となった。

 10連勝の味に、村田が「強いですね」と言えば、長野も「いいですよ」と明るかった。だが、深みの出てきた打線に原監督は「(感慨は)いや、まだ。はい」と淡々と締めた。4番村田が「先発が頑張っているし早い回に1点を取ればって思っている」と言うように、投打がかみ合って絶妙なハーモニーを奏でる巨人。だが目指す味は、まだまだこんなものじゃない-。さらなる熟成期間を経て、渋みに深みも増した最強打線の“解禁”が待ち遠しい。【浜本卓也】

 ◆ロマネ・コンティ

 ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ社が所有するフランス・ブルゴーニュ地方の畑でのブドウでつくられる赤ワイン。世界で最も高値で取引される1つ。昨年5月、スイス・ジュネーブのオークションでは、「ロマネ・コンティ1945」が約1000万円で落札された。