広島は28日、広島市のマツダスタジアム内でスカウト会議を行い、隠し玉として広島商の竹田徹司内野手(18)をリストアップした。1発の魅力もある「将来の大砲候補」だ。1位候補は投手となる見込みだが、野手指名では地元出身の未来のクリーンアップ候補に白羽の矢を立てた。チームはロッテに敗れ、引き分けを挟み6連敗。将来のチームづくりに着手しつつ、巻き返しを図る。

 思わぬ所に隠し玉がいた。未来の大砲候補は身近な場所にいた。古豪・広島商の4番に座る竹田だ。

 2年夏から4番を任されるようになった。2年秋には「4番・ショート」で秋季広島大会に出場。準々決勝・広島工戦、準決勝・尾道戦で2試合連続本塁打を放つなど長打力を発揮。チームを同ベスト4、中国大会に導いた。

 今どきの高校生には珍しく、個人記録に関心を持たない。高校通算本塁打数にも「興味がないから、数えていないです」と言い切る。関係者の話を総合すれば「2ケタはいっているはず。20本ぐらいではないか」という。本人は「次の打者につなぐことだけを考えている」とチーム打撃にこだわるタイプ。人よりも多くバットを振り込む努力派で、右中間方向へ打球が伸びるのも魅力の1つだ。守備ではショートに入り、チーム全体を統率することも任されている。

 27日には広島スカウト陣4人が広島商の練習試合に集結した。視察した苑田スカウト部長は「パワーがある。(担当の)関東にもいないタイプ」と、評価したほどの逸材だ。

 広島は最近のドラフトで地元出身者、広島の高校で活躍してきた選手にも着目してきた。今季、新人ながらローテに定着した野村、新人王を獲得して守備の要となった梵らは、主力として活躍している。竹田の指名順位は下位になる可能性が高いが、地元からクリーンアップを任せられる掘り出し物が出現するかもしれない。【中牟田康】

 ◆竹田徹司(たけだ・てつし)1994年(平6)5月2日生まれ。広島市安佐北区出身。口田中を経て広島商に進学。2年夏から4番。2年秋に県大会で2試合連続本塁打を放ち4強入り。中国大会出場。179センチ、82キロ。右投げ右打ち。