<広島2-9巨人>◇28日◇マツダスタジアム
真夏の秘策が大当たり!
巨人原辰徳監督(54)は65試合連続で1番に起用していた長野久義外野手(27)を7番にし、代役1番には松本哲也外野手(28)を据えた。1回からバントを指示するなど、1点にこだわる采配も披露し、今季0勝2敗だった天敵大竹を攻略した。広島のデーゲームという過酷な環境でも、主導権を握った戦いで6連勝。巨人の勢いは暑さにも負けない。
直射日光が肌に痛い。炎天下の試合前ベンチ、岡崎ヘッドコーチは大粒の汗を額に「今日は秘策があるんだよ」とポツリ。4試合の対戦で0勝2敗。大竹は、今季最も苦戦している投手と言っていい。秘策の内容を問われると、はぐらかしながら「オレ、暑いの大好きなんだ」と繰り返した。大分出身で、現役時代の8月打率が通算打率(2割6分)より2分3厘高い同コーチだけに、その言葉は意味深で、かつ、勝算を感じている様子だった。
秘策とは、真夏の野球だった。シーズン序盤に原監督が「甲子園野球」と表現していた1点にこだわる試合運びだ。全国12地区で決勝戦が行われたこの日、高校球児のひた向きさをナインに求めた格好だ。
戦術を完遂するため、原監督は打順を変えた。切り込み隊長の長野を7番に、その1番には前日、途中出場で2打数2安打した松本哲を起用。「真夏打線」は、1回から動いた。先頭松本哲の安打で無死一塁。2番古城は初球バントを決めた。先制点には至らない。それでも、マウンドの大竹に圧力を与えた。
2回は無死一塁から7番長野がエンドランを決めて無死一、三塁。大竹を混乱に陥れ、押し出しと犠飛で2点先制を奪った。主導権を握れば、試合は巨人のもの。3回、長野の適時打が打線に火を付け、5回は村田がトドメの本塁打。プラン通りのKO劇だった。
原監督は今年の打線を「チャンネルを変えようと思う時に変えられる」と評し、「点を取れるのがいい打線。チーム打率、本塁打数、その数字だけが表すわけではない」とも話す。「非常に打ちあぐんでいる投手。(対策しても)なかなか動いていないというね、ならばこっちから動いてみようと。長野も相性が良くないので、そういう意味では松本が突破口を開いた」。この日まで、長野の対大竹は打率8分3厘。停滞した「点」を動かすことで、打線全体を活性化させた。広島での真夏のデーゲームは37年ぶり。今の巨人打線は、臨機応変な采配にも、酷暑にも、的確に対応する力を備えている。【金子航】



