西武が、渡辺監督が掲げる「骨太集団」構築へ、若獅子寮の改革に乗り出すことが29日、分かった。現在は寮長を球団職員3人のシフト制で回してきたが、来季は寮長を1人に固定し、打撃投手の広池浩司氏(39)、2軍用具担当の上原厚治郎氏(29)、今季限りで現役を引退した大島裕行氏(31)の3人を副寮長に起用。育成の肩書も加えた上でプロ経験者の視点から、指揮官が求める「男」集団に育て上げる。

 「涙禁止令」に続く第2弾は、根本的な育成改革だった。前日28日、渡辺監督が「男は泣くな」と指令。真の男になることを求めたが、球団側は寮生活の中で野球人、社会人としての教育を徹底し、「男力」を育成するプランを立てた。最低1人は宿泊する予定で、夜間や早朝でも、相談部屋を開放。3人の副寮長ともに若く、選手目線での会話も可能なことから、余計な不安を取り除き、練習に集中できる環境を整える。

 技術向上にも、スパイスを加える。映像やデータ解析した上で、選手個々の育成法を作成。今季、2軍の野手は遠征同行が基本だったが、来季は高木2軍打撃コーチらの指示のもと、強化練習に取り組む選手を大島副寮長がバックアップする。球団関係者は「育成がチーム作りの中心だが、現代に合った形を作っていかないと」と話した。かつて前身の西鉄が「野武士軍団」と呼ばれたように、西武が「骨太軍団」に変わる。