阪神が26日、ブルックス・コンラッド内野手(32)と正式契約したと発表した。25日(現地時間24日)、米アリゾナ州内のホテルで1年85万ドル(6800万円)の契約を結んだ。背番号は「42」に決定。13歳の時に来日した過去を明かして親日家の一面を披露。4番で100打点を期待されるファイターが、晴れて虎の一員となった。

 海の向こうから熱い思いが伝わってきた。虎の一員となったコンラッドは、球団を通じてコメントを発表。「阪神タイガースの選手として2013年シーズンを迎えられることに幸せを感じています」。その内容は新たなチャレンジに対する意欲にあふれていた。

 まずは自ら親日家であることをアピールした。

 「日本には大変、縁があり、13歳の時にカリフォルニア州のボーイズリーグ代表として、大阪をはじめ、長崎など地方都市でもプレーさせてもらい、2008年にはアスレチックスの一員として阪神や巨人とプレーさせてもらいました」

 少年時代から州を代表する活躍を見せ、大阪にも来たことがあるという。どんな選手でも最初のハードルは環境面になじめるかどうかだが、来日経験の豊富なコンラッドは、順応できる可能性も高そうだ。

 さらに助っ人野手としてコンビを組むマートンへの“弟子入り”も志願した。

 「アスレチックス時代の短い期間だけど、チームメートだったマートン選手にいろいろ教えてもらいながら、タイガースの優勝に貢献したいと思っています」

 年齢はコンラッドが1歳上だが、日本で先に成功しているマートンに教えを乞う謙虚な姿勢を見せた。

 背番号は「42」に決定した。和田監督ら首脳陣が、4番候補とする期待の高さがうかがえる。助っ人には珍しいスイッチヒッター。パワフルな右打席、確実性の高い左打席とそれぞれに特徴を持つ。中村GMはビデオを見て、2分で獲得を決めたという。それほど、ほれ込んだ。

 「(ブルワーズで)チームメートだった青木選手のように、自分の能力をすべて出すことで、チームの勝利に貢献できるように頑張っていきたいと思っています。2月1日にはしっかりと体をつくっていきます」

 青木とはブルワーズで共にプレーした。控えの立場からはい上がったハングリーな姿勢に感銘を受け、それを今度は自分が日本で実践するという。特別扱いなど望まず、2月1日にきっちり合わせると約束した。新助っ人はどこまでも謙虚で、好感が持てる。来日が待ち遠しい。【鈴木忠平】

 ◆ブルックス・コンラッド

 1980年1月16日、米カリフォルニア州生まれ。01年ドラフト8巡目でアストロズ入団。アスレチックス、ブレーブス、ブルワーズを経て、今季途中にレイズへ移籍。メジャー通算280試合で打率2割7厘、18本塁打、71打点。178センチ、86キロ。右投げ両打ち。