<DeNA1-0阪神>◇5日◇横浜

 こんな試合、今日からの甲子園では許されない。和田阪神がDeNAにサヨナラ負け。今季19度目となった0封負けの惨敗…。今日6日から本拠地甲子園で、巨人3連戦。前回対決の8月末には敵地で3連戦3連敗を喫した。あの悔しさをぶつけ、意地をみせてくれ!

 重い空気に衝撃音が響いた。「ガン!」。敗者の行進が続くベンチ裏。沈黙を破ったのはサヨナラ打を浴びた安藤優也投手(35)だった。ストライクが入らず、9回無死満塁。無情の白球が左翼芝生で弾んだ。投手戦にケリをつけてしまった自らへの怒りだろう。イスを蹴り、ペットボトルを投げつけた主は冷静さを取り戻すと、「何も…」とつぶやいた。

 メッセンジャーを、見殺しにした。1回のマートンに始まり、重ねた併殺打は実に4本。7回1死一塁のエンドランは清水が一直併殺、9回1死一、二塁の好機も代打桧山進次郎外野手(44)の遊ゴロ併殺でついえた。1回無死一塁では俊介がバント失敗。8回には先頭メッセンジャーが中前打も、上本に強攻させて空振り三振。チグハグなまま、今季19度目のゼロ封負けになっていた。

 9回、ベンチには桧山とともに西岡がスタンバイしていた。結果論にはなるが、併殺を嫌うなら西岡を先に送り出す手もあった。

 和田監督

 (9回は)こっちにはこっちの事情があるので。バント失敗とか、エンドランの併殺とかファウルとか。動くべきところは動いたけど、チャンスにあと1本が出なかった。作戦がうまくいかなかったね、いかんせん。

 作戦だけでなく新生クリーンアップが機能しない。4番鳥谷は6回1死一、二塁で見逃し三振。8回2死一、三塁では一ゴロ。鳥谷は4番6試合で打率3割1分8厘も、1打点。ポイントゲッターとしては疑問符がつく数字。さらに、不調の5番新井貴は2三振。DeNA三嶋には19回2/3で無得点のままだ。

 水谷チーフ打撃コーチ

 いつものことや。1点取れば勝ちなのに、これが取れない。今日の投手はビックリするようなことはないんやけどな。

 3カード連続の負け越しで後半戦37試合では18勝19敗と負けが先行。失速ぶりに加え、秋の決戦を見据えても不安が募る一方だ。三嶋や藤井を打てず、対戦防御率も4点台のDeNAのクライマックス・シリーズ(CS)自力進出の可能性復活をアシスト。前田健や野村にひねられる広島に地力のある中日…。このままではCS第1ステージも安泰ではない。

 首位巨人との差は今季最大タイの「9」に広がった。今日6日から、その巨人を甲子園に迎えての3連戦。前回は敵地東京ドームで3連戦3連敗を喫したが、聖地で屈辱再現など許されるはずもない。虎将は自らに、そしてナインに伝えるように力を込めて言った。

 和田監督

 こういう現状で帰らないといけないというのがね。もう1回奮い立って。(前回は)東京ドームで3つやられているので、何とか意地を見せたい。

 もう、踏ん張りきれないのか。伝統の一戦に消化試合はない。宿敵と呼ばれる意地がなければ、猛虎戦士じゃない。【近間康隆】