13日の金曜日。ジェイソンのバレ斬りから、阪神が再加速を目指す。4連敗に落ち込む間もなく、今日13日からは神宮でのヤクルト3連戦が待つ。相手主砲バレンティンには、日本新記録56号の期待がかかる。「ストップ・ザ・55発男」。虎投の先陣を切るジェイソン・スタンリッジ投手(34)は気合十分だった。

 スタンリッジ

 彼はノーチャンスだね。打席に立っている首の付近に投げようかな(笑い)。ジョークだけど。すごいシーズンだし、必ず記録は抜くだろうけど、明日は破ってほしくないね。彼には1本も献上しなかったシーズンにしたいよね。

 逃げる理由なんてない。中西投手コーチは「白けさせることはしない。勝負させるよ」と話している。スタンリッジ昨年までの2年間で8打数4安打1本塁打。決して相性は良くないが、真っ向勝負でいく。明日14日は黄金ルーキー藤浪が先発予定。15日の左腕榎田を含め、大砲をねじ伏せてどんよりムードのチームを勢いづける。

 バレ砲の実力を認めるからこそ、抑える価値がある。中日戦の試合前、和田監督は昔の記憶をなぞっていた。入団1年目の85年、同僚のバースが54発放った。「頭が良かったね。球場によって打ち方を変えていたし、甲子園の風向きも頭に入れていた。将棋をしたり、日本になじもうとしていたよね」。

 バレンティンも頭の良さと順応性が、開花につながったと感じる。「55本もすごいけど進化がすごい。ホームランを打つだけじゃなく、率も残しながら我慢するところはしている。まだ20試合ぐらいあるし、新記録どうこうじゃないよね」。今季、阪神が許したのはリーグ最少の4本。バレ封じで勝利もつかみにいく。