黄金の左手、再び-。阪神が24日のドラフト会議で1位指名が競合した場合、和田豊監督(51)に抽選を任せる方針であることが20日、分かった。昨年ドラフトでは4球団競合の大阪桐蔭・藤浪を引き当てた強運の持ち主。今ドラフトはJR東日本・吉田、九州共立大・大瀬良ら即戦力投手を1位最有力候補とし、競合は避けられない状況。勝率100%の和田監督を前面に、恐れ知らずの指名を繰り出す。

 あの興奮がよみがえる。ドラフト会議を直前に控え、球団関係者が指名戦略を語った。「ある程度、競合は覚悟しないといけないだろう。そうなれば、監督にいってもらおうと思っている」。競合恐れず。そして今年も、和田監督に抽選を任せる方針であることを明かした。

 1年前は、甲子園で春夏連覇を達成した大阪桐蔭・藤浪の1位指名を早々に公表した。もちろん、他球団との競合は必至だった。抽選役となった和田監督は会議当日、朝から勝負の神様として知られる東京・神田明神で必勝を祈願した。

 道中のタクシーで運転手から「左手に皇居が見えます」と言われた瞬間、直感的に左手で引くことを決めた。さらに「神田明神へは坂を下から上がっていきます」…。この説明で、一番下のくじをつかみ取ると決意した。

 万全の験担ぎをして臨んだ大勝負。見事に当たりクジをつかみ、シーズン中にはないほどのガッツポーズで喜んだ。ドラフト1位の抽選には85年から12連敗中だった球団のジンクスを打ち破った。以来、ファンや、関係者の間で「黄金の左手」の称号が定着した。

 今年のドラフトは即戦力投手獲得を最優先する。1位指名はJR東日本・吉田、九州共立大・大瀬良を最有力候補に挙げている。限られた即戦力投手狙いは他球団も同様で、競合の末に敗れれば、ダメージが大きくなりそう。歴史を塗り替えた和田監督が控えるだけに、競合を恐れず、攻めの指名に踏み切れるというわけだ。

 藤浪獲得をきっかけに、1年目の5位から2位へと飛躍したのは紛れもない事実。契約最終年の来季へ向けて、和田監督が狙うのは優勝しかない。再び、黄金の左手で勢いをつけたいところだ。