球界の功労者をたたえる野球殿堂入りが17日、都内の野球殿堂博物館で発表され、佐々木主浩氏(45=日刊スポーツ評論家)が選ばれた。

 東北高で佐々木氏を指導した竹田利秋氏(72=国学院大総監督)は、教え子の朗報に「うれしい限りです」と感激した。高校時代は代名詞のフォークは投げさせず、直球とカーブだけで3季連続甲子園に出場し、3年春、夏は8強入り。「大木に育てるためには、心・技・体に大きな根っこをつくることが大事」と、高い将来性を見据えて、基本を徹底的に指導した。

 当時を振り返り「頭の良さと体のパワー、それと、痛みへの強さがあった」と言う。高3夏の県大会は足の親指が化膿(かのう)し、試合中にベンチ裏で痛み止めの注射を打ちながら投球。甲子園でも完治せず、毎試合入院先の病院から球場に通った。「それでも本人は『投げさせて下さい』って言うんです」。佐々木氏はプロ入り後も、不調になれば助言を求め、移籍、引退などの節目は必ず恩師に報告した。竹田氏は「昔風に言うなら面倒見のいい親分。選手のことを思って厳しくできる、いい監督になると思います」と、将来の監督就任を期待した。