中日落合博満GM(60)が電撃指導で荒木再生に乗り出した。北谷キャンプ第2クール初日の5日。バックネット前でティー打撃中の荒木に歩み寄ると、身ぶり手ぶりでバットの出し方などをアドバイス。さらに荒木のバットを奪い取ると、往年の神主打法で手本のティー打撃まで実演した。その時、マウンドでは注目のドラ2又吉がフリー打撃に初登板中。だが森ヘッドらコーチ陣、審判まで又吉そっちのけで後ろを向き、元3冠王の熱血指導に食い入るシーンが展開された。

 昨秋の契約更改の席でも、スーツ姿で高橋周らを指導したが、公開では同職就任後初めて。第1号に監督時代の愛弟子荒木を選んだのも、復活を願う期待の表れだ。10分間の3年ぶり指導に荒木は「久しぶりでした。おいおい感じながらやっていきます」と感激。復活への誓いを新たにした。

 落合GMは隣で練習していた谷繁兼任監督にも声を掛けた。今度は自身の手をバット代わりに、模範スイングを披露した。監督まで前代未聞の打撃指導?

 珍シーンにスタンドもザワザワ。だが谷繁監督は「僕は教わってないですよ」と首を振り、「『みんなもっと簡単に考えりゃいいのにな』というバッティング談義です」と笑顔で説明した。

 落合GMは今年1月、ポストシーズン中のナゴヤ球場で松井祐を指導し、物議を醸した。だがキャンプならどれだけ教えても問題ない。落合GMは問いかけに無言だったが、隣で指導ぶりを見ていた重鎮OBの杉下茂氏は「気づいたらじっとしていられないんじゃない?」と教えたくてウズウズしていた思いを代弁。そのうち監督が不振に陥れば、本当に監督も教えちゃう?

 最強の元3冠コーチが、竜の打力アップに力を発揮しそうだ。【松井清員】