DeNAにも「ライアン」がいた!?

 ドラフト1位の柿田裕太投手(21=日本生命)が5日、沖縄・宜野湾キャンプ第1クールを終えた。柿田のフォームは左足を胸元まで上げ、勢いよく上げる。ためた力を爆発させるように思い切り腕を振る姿は、どことなくヤクルト小川を想像させる。柿田も「『足の上げ方がライアンに似てる』って言われたりしたことは何度かあります」と話した。

 マネをしている意識は全くない。「小さい頃からプロ野球をあまり見なかったし、誰かをマネるという感覚が今までで1回もなかったと思います」。それでも、このフォームにした理由を「反動を使うことで体全体を使って勢いのある球を投げられるようにしている」と説明しており、意識は小川と同じだ。

 フォーム変更のきっかけは社会人時代のコーチの指導だった。もともと高く上げていたが、社会人入りと同時に、へその高さまでしか上げないフォームに変えた。制球力に悩み、コーチから「高く上げたら」と助言され、胸元まで上げるフォームにした。「足を上げるようにしてからバランスが良くなり、球速も3~4キロ上がって最速146キロになった」。制球のみならず、球速アップにも結びついた。自分に適したフォームだったといえる。

 キャンプではブルペンには5日中4日間入り、フォームを重視した。「今のところ順調に来てます」と手応え。小川のルーキーイヤーは最多勝に新人王と華々しかった。「ハマのライアン」は本家を上回ることができるのか。【細江純平】

 ◆柿田裕太(かきた・ゆうた)1992年(平4)8月27日、長野県松本市生まれ。松本工では1年秋からエース。3年夏に甲子園出場も九州学院に初戦敗退。日本生命3年目にエースとして活躍。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。