<オープン戦:DeNA2-2阪神>◇15日◇横浜

 DeNAの開幕投手がやっと決まった。三嶋一輝投手(23)が阪神とのオープン戦に先発し、5回3安打1失点の好投を見せた。

 キャンプ前から開幕投手として期待されながらもここまで先発した練習試合とオープン戦で計7回11失点と結果を残せずにいたが、中畑監督は「やっとレッツゴーと言ってあげられる内容だった」と開幕投手を任せることを明言した。

 この日は「四球OK」のつもりで投げた。1回。上本、大和を簡単に打ち取った後の2死。西岡に対してカウント3-0となるも焦らなかった。146キロの直球を続け左飛に打ち取った。ここまで結果を出せなかった理由は分かっていた。コースに丁寧に投げようとするあまり、昨年の荒々しい投球スタイルを失いかけていた。

 2試合連続で打ち込まれた後、昨年と今年のビデオを比較して、何が違うかを分析した。「まだ60点ぐらいの内容だったけど、前回より腕が振れるようになった」と振り返った。

 開幕投手候補と言われ続けたことが、2年目の右腕にはプレッシャーになっていた。結果を出せていないだけに、2軍グラウンドで練習をすれば「三嶋はいいな。開幕投手だから点を取られても」と言われることもあった。物おじしない性格だが、開幕投手という大役に「自分でいいのか。今のままだと2軍に行く可能性もあるのに」と弱音を吐くこともあった。

 自分の手でつかみ取った。チームで2年目の投手が開幕を務めるのは98年の川村(現投手コーチ)以来だ。この年は開幕勝利で勢いづき、38年ぶりの優勝を勝ち取った。三嶋もチームに勢いをつけたい。次回は21日の巨人戦(東京ドーム)に登板予定。「とにかく良い状態で開幕に入れるようにするだけです」。ベストの状態で28日のオープニングゲームに登板する。【細江純平】

 ◆DeNAの開幕投手争い

 最有力候補は三嶋だったが、ここまで結果を残せていなかったため、対抗馬に井納が候補に挙がった。しかし、井納も8日西武戦の登板で4回7安打9失点と大乱調。そこで久保の名前も挙がり、なかなか決まらない状況だった。ラストチャンスとされた登板で三嶋が好投し、開幕投手を決定させた。