<中日0-2DeNA>◇14日◇ナゴヤドーム

 ベテランならではの投球だった。DeNA三浦大輔投手(40)が中日戦に先発し、7回4安打無失点の好投。4回まで毎回走者を出しながらも点を与えない、粘りの投球だった。7月13日のヤクルト戦から4連勝となった。前日13日に筒香が負傷退場するアクシデントがあってチームが動揺する中、番長が頼れる投球を見せた。4位中日とは再び1ゲーム差。さあ、初のクライマックスシリーズ(CS)へ上位進出だ!

 番長は冷静だった。ベンチで勝利の瞬間を見届け、中畑監督から頭をたたかれ、祝福されると、ニヤッと笑った。チームでは2人目となる40代の4連勝にも、三浦は「(これからは)ずっと40代なんで。そんなことよりも1試合1試合、一生懸命投げるだけですから」と気にしていなかった。

 走者を出しても点を与えない。それが三浦の持ち味。初回から4回まで毎回走者を出しながらも後続打者を抑える。140キロを超える直球が投げられなくても研ぎ澄まされたコントロールで打者を打ち取った。

 6回は見事だった。1点リードの1死満塁。平田に対して外角ギリギリを突いた。129キロのカットボールで二直で2死。続くエルナンデスにも同じ球で二ゴロに抑え、グラブをたたいた。「しびれました。ホームベースを踏ませないと思って投げた。どうやったらゼロに抑えられるかを考えて投げた」と振り返った。

 どうしても勝たなければいけないゲームだった。前夜13日。筒香と梶谷が交錯し、筒香が救急搬送された。チーム全体に大きな衝撃が走った。試合前、全体ミーティングで中畑監督は「この日の試合が大事になる」と伝えた。三浦は「試合の前に(筒香は)大丈夫と聞いた。一番つらいのは筒香。テレビで見ていたと思う。勝てて良かった」。筒香に贈る勝利でもあった。

 得点圏打率12球団1位の筒香がいなくなれば、得点力は落ちる。この日も2点奪うのがやっとだった。だからこそ、三浦の存在が大きい。中畑監督は「一番頑張ってもらわないといけない、大黒柱がゲームを作ってくれた。(三浦)大輔に尽きる」と称賛した。

 三浦は中日戦6連勝。今季初の3カード連続勝ち越しとなった。再び4位中日とのゲーム差は1。前半戦白星がなかった三浦だが、勝ち始めると同時にチームの調子もうなぎ上り。やっぱり番長の存在は欠かせない。【細江純平】

 ▼40歳の三浦が7月13日ヤクルト戦から4連勝。中日戦は12年5月5日から6連勝だ。三浦の4連勝は09年4~5月に記録して以来、5年ぶりになる。40代の投手が4連勝以上したのは10年山本昌(中日=5連勝)と木田(日本ハム)以来9人目(15度目)で、DeNAでは横浜時代の07年工藤が4連勝して以来2人目。40代の最多連勝記録には08年山本昌の7連勝があるが、三浦はどこまで伸ばせるか。