<ソフトバンク10-3オリックス>◇3日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクが逆転で首位攻防第2戦を制した。2-3の6回2死走者なしから打線がつなぎ、満塁で柳田の押し出し四球で同点。代打での打率4割を超える吉村裕基外野手(30)が代打で、難敵金子から決勝の2点適時二塁打を放った。吉村は8回にも2ランを放ち、15安打10得点でオリックスを粉砕。2・5差に離し、最短で7日に優勝マジックが点灯する。

 バットの先で詰まった。でも吉村の根性が詰め込まれた打球だった。「投手が誰とかでなく。代打は俺がいくんだと気持ちを入れていきました」。今季チームスローガンの「俺がやる。」の精神がそこにあった。

 6回2死満塁で代打のコール。狙ったのは金子の高め直球。迷わず振り抜いた。バットの先だった分、打球はスイングに反比例し、理想的な減速をみせて左中間にポトリ。「早く落ちてくれと思ってセカンドに走りました」。2者生還で、これが決勝二塁打となった。試合前リーグ1位の防御率1・70を誇った金子から4年ぶりに6点を奪って、KOした。

 秋山監督の読みもズバリだった。「金子はずっと調子のいい投手なんで、勝負をかけるところはあそこぐらいだった」。吉村は今季代打で15打数7安打10打点、打率4割6分7厘とめっぽう強い。8回には海田から2ランでダメを押した。「ドラえもんの誕生日にホームランを打ててうれしい」。休日に映画ドラえもんを見てリフレッシュ。誕生日を覚えていた。「皆さん子どもの頃から思い入れがあるでしょうし」とおちゃめに笑った。2安打4打点の活躍で、15安打10得点と打線爆発の中心に立った。

 首位攻防第2戦をとり、2・5ゲーム差。お立ち台から「今日は勝っておいしいお酒飲めます。でも、飲んだら絶対に車は乗らないで下さい」と呼びかけた。最短でマジックは7日に点灯。真の美酒までまだまだ働き場所はある。【押谷謙爾】

 ▼ソフトバンクは最短で7日に優勝マジックが点灯する。今日4日ソフトバンクがオリックス戦○で、5日からの西武戦○○○または○○△、オリックスが同5日からの日本ハム戦に●●●のとき、ソフトバンクに優勝マジック14がつく。