CS進出の可能性がなくなったロッテは、早くも来季に向けて動きだす。球団は25日までに、伊東勤監督(52)の続投を再確認。今季の順位に関係なく3年契約の3年目となる来季の指揮を任せる方針を固めた。その上でテコ入れをすべく来季のコーチ人事に乗り出した。

 改革の必要性を特に感じているのは投手部門で、まず白羽の矢が立ったのは落合英二氏(45)だ。10年から12年まで韓国の三星ライオンズで投手コーチを務めた際、リリーフ陣の防御率を2点台に向上させるなど「韓国一の投手コーチ」と評された。12年に斗山ベアーズでコーチを務めた伊東監督もその手腕を高く評価していることなどから、候補に挙がった。水面下ではすでに打診済みで、球団としては秋季キャンプから指導に当たってほしい希望を持っている。

 チームは今季、開幕直後から先発投手陣の不調に苦しんだ。先発ローテーションの全選手が2軍落ちを経験した他、成瀬、涌井、唐川の3本柱が、3人とも借金を背負うなど、苦しい状況だった。リリーフ陣も西野と大谷以外はイニングを固定できないなど、勝利の方程式を築けなかった。

 巻き返しを図るために、ドラフトでも早大・有原航平投手ら、即戦力投手を中心にリストアップし、投手王国の再建を画策している。3年目を迎える伊東監督のバックアップは投手部門から。来季は1点を守り切る野球に立ち返る。

 ◆落合英二(おちあい・えいじ)1969年(昭44)7月25日生まれ。栃木県出身。作新学院-日大。91年ドラフト1位で中日入団。大学時代に右肘骨折し、プロ入り後にサファイアを埋め込む手術を受ける。98年最優秀中継ぎ。通算463試合、37勝45敗24セーブ、防御率3・29。1球勝利、1球敗戦、1球セーブ、1球ホールドを記録した史上初の投手。06年に現役引退後は、10~12年に韓国・三星で投手コーチを務め、呉昇桓(阪神)を育てる。現役時代は178センチ、84キロ。右投げ右打ち。