<フェニックス・リーグ:阪神4-3DeNA>◇7日◇生目第2

 シーズンで9勝した阪神岩田稔投手(30)がCSファーストステージで中継ぎ待機することが決定的になった。みやざきフェニックス・リーグで3番手として登板。2回を2安打無失点でまとめた。安定感に加え、チームの左腕不足の事情もあり、白羽の矢が立った。ファイナルステージ巨人戦には先発として回ることも濃厚。フル回転でチームを勝利に導く。

 岩田がジョーカーに指名された。甲子園開催が決まったCSファーストステージはすでに、メッセンジャー、能見、藤浪の順に登板することが決定的。岩田はファイナルステージ巨人戦での先発要員だった。だが、防御率リーグ2位の2・54、シーズンラスト2登板で計16回無失点の安定感男が、出し惜しみされるはずがなかった。

 岩田は中継ぎ起用に、結果でOKサインを出した。フェニックス・リーグDeNA戦で3番手として7回から登板。連打でいきなり無死二、三塁のピンチを招くも、2番山崎を遊ゴロ、3番加藤はフォークで空振り三振に仕留めた。最後は4番井手を一飛に打ち取った。8回はテンポを上げて3者凡退。2回を2安打無失点で答えを出した。

 岩田

 今日は中継ぎ仕様でいったので。悪くはなかったです。でもまだよくなると思います。

 ピンチでもひょうひょうと投げ、動くボールで凡打の山を築いた。最速は144キロを記録。中西投手コーチも「今日は岩田が一番よかったんじゃないか。いろんな起用法がある」と含みを持たせた。現状、中継ぎ左腕は高宮のみ。新人岩貞も未知数で、岩田が加われば頼もしい存在となる。イニングの頭から、もしくは先発投手が早々に崩れた場合の第2先発として。今季広島戦2勝無敗、防御率1・20の、文字通りジョーカーが控えている。

 もちろん、先発としても計算される立場だ。巨人の待つファイナルステージへと乗り込んだ場合、先発マウンドを託されることが濃厚だ。岩田も「投げろと言われたところで、投げるだけなんで」と心の準備を整えている。悲願のファーストステージ突破、そして日本シリーズへ。岩田がフル回転でチームを導く。