阪神が新たな外国人補強ルートとして、来年1月にもキューバを訪問する予定であることが2日、分かった。球団は現在、日本球界の大きな補強市場となったキューバとパイプを築いていく方針。今オフにも獲得を予定している“第5の助っ人”はもちろん、今後の助っ人獲得のために中米の野球大国へ向かう。

 阪神が新たな外国人補強ルートとして、来年1月にもキューバを訪問する。球団幹部は「年が明けてから、訪問することになるのではないか」と話した。これまでは接点のなかった野球大国とのパイプづくりに動く。

 今年からキューバの国内リーグに所属する選手の海外移籍が解禁されたことでDeNAのグリエル、巨人のセペダ、ロッテのデスパイネなど世界大会で活躍した有名選手が日本球界にやってきた。キューバ政府が交渉の窓口となるため、球団は慎重に接触のタイミングをはかっていたが、年明けにも、球団幹部または渉外担当者が接触をはかることになりそうだ。

 阪神はすでに“第5の外国人選手”を獲得する方針を固めている。ゴメス、マートン、メッセンジャー、呉昇桓がいるため、あくまで“控え”としての扱いになるが、故障などの緊急事態に備える。主なターゲットは若くて年俸が高くない選手の多いドミニカ共和国などになりそうだが、その中の選択肢の1つとしてキューバも入ることになる。世界有数の野球大国は野手なら“グリエル2世”、投手なら米大リーグで活躍するチャップマンのような豪腕がひしめいているといわれる。補強の選択肢としては申し分ないだろう。

 日本球界では、キューバ市場にいち早く動いたのが巨人だと言われている。今季はセペダの他に、20歳のメンドーサ投手も獲得した。さらにDeNAは米大リーグも獲得を狙うグリエル獲得に成功して、チーム力をアップさせた。これまで猛虎はキューバとの接点があまりなかったが、新たな補強市場の開拓として、野球大国とコンタクトする。

 ◆阪神にもいたキューバ人

 65年に在籍したチコ・フェルナンデス内野手は首都ハバナ生まれのキューバ人。ハバナテクニカル高から51年にドジャースと契約しメジャー通算856試合。阪神で内野全ポジションを守ったが、52試合で1本塁打に終わり、1年で退団。