ヤクルト真中満監督(43)が13日、来季先発ローテーションの6番目を「ブレーク・復活枠」にする構想を披露した。地元・栃木県内での正月特番収録後に明かした。多くの若手に経験を積ませて飛躍の契機にさせ、けがからの復活組には登板間隔を十分に取らせるのが狙いだ。今季は若手の山田や故障から復帰した雄平が出場機会を得て大活躍。来季は先発陣で「大ブレーク」投手をつくり出す。

 温めていた投手起用プランだった。真中監督は来季の先発ローテーションについて「5人で回して1人を入れ替えてというのはある」との案を明かした。現時点でライアン小川、石川、FAで加入の成瀬が軸。石山と杉浦の「ドラ1コンビ」を加え、他にも候補はいる。それでもローテ6番手の枠は臨機応変に行く。そこには2つの狙いがある。

 (1)ブレーク枠

 今季はチーフ打撃コーチとして、山田や雄平のブレークに尽力した。「若い選手は何かのきっかけでグンと伸びる可能性を秘めているからね」。1人1人の出場数は減るが、1軍の実戦経験に勝る飛躍の契機はないと実感している。八木や徳山に古野のほか、新人も5投手が入団。「1軍で投げて自信をつけられれば」と「投手版山田」の出現を促進する。

 (2)復活枠

 リハビリ中の館山と由規は「戻ってくれば大きな戦力」と期待する。経験は豊富だけに、無理をして再発するのが唯一の心配事だ。それだけに「間隔を空けて投げられればいいと思う」と序盤は6番手の1人として、無理のない登板間隔で起用。徐々に復活への道筋を作り、勝負どころのリーグ終盤で完全復活させたい公算だ。

 地元でのテレビ収録や夜の就任祝賀会では、宇都宮学園高(現文星芸大付)時代の仲間と再会。祝賀会では「低迷していますが、若い選手が育っていて楽しみなチームが作れると思う」と決意表明した。目先の1勝よりもその先を見据えた「太っ腹プラン」で、2年連続最下位からの逆襲の地盤を固める。【浜本卓也】