西武牧田和久投手(30)がサブマリンならぬホエール投法で進化する。20日、西武第2球場で自主トレを公開。今季のテーマに「いかに力を抜いて、相手に速いと思わせる球を投げられるか」と掲げた。

 周囲にはマン振り投球を勧められてきた。昨季までチームメートだったウィリアムスからは「メジャーでやりたかったら、140キロ投げられないとダメだ」とウエートトレーニングを推奨された。両親からも「もっと力を入れて投げたら」と助言された。だが「力が入ったら、コントロールできなくなる」と首を縦に振らなかった。

 脱力投法の理想像がある。オリックス金子千尋だ。「投げる時にみんな歯を食いしばる人が多い。でも金子さんは投げる直前に口がパカッと開く感じで力が抜けているように感じる」。同じ球速でも力感のないフォームから投じれば、打者の体感速度が上がる。「僕が投げる時の顔は…必死な感じです」と自己分析。クジラが口を大きく開くように力を脱力させれば、130キロ直球の体感速度は増し、打者をエサのようにのみ込むことができる。

 力みをなくし、ボールを制御することを重要視する。「年々、コントロールが悪くなっている。精度が勝つためには大事」。ルーキーイヤーは9イニングで与四球が平均1・1個だったが、4年目の昨季は2・7個まで下がった。牧田が15年型最新鋭のサブマリンに改良し、勝利の雄たけびをほえ~る。【広重竜太郎】