東都大学リーグ各校の4年生の進路が、ほぼ出そろった。亜大・森宗順平投手(広陵)は今日26日に新弟子検査を受け、大相撲の道に進む。高校時代は甲子園に2度出場し、3試合に登板した左腕投手は、マウンドから土俵に活躍の場を変える。

 甲子園準優勝左腕が角界入りする。森宗は当初、自衛隊入りを目指したが、格闘技好きと知った生田勉監督(46)から新たな道を示され路線変更。森宗は「相撲は中学ぐらいから興味あった。格闘技はテレビでK-1とかをよく見ていて好きだった」と異例の転身理由を語った。

 小学3年から野球一筋だった。甲子園では2、3年夏に合計3試合に登板。2年夏は野村(広島)らと準優勝した。プロを目指して入学した亜大ではソフトバンク入りした東浜と同学年。生田監督は「直球で三振が取れる素晴らしい投手だった」。チームは3連覇を果たしたが、森宗は2年春に左肘を痛めてリーグ戦登板はなかった。「野球は中途半端で終わったので、相撲の世界では一生懸命頑張りたい」と意気込む。

 現在は藤島部屋の部屋付き親方で、来春にも武蔵川部屋を興す予定の大島親方(元横綱武蔵丸)とは今月に初対面した。焼き肉を食べながら「いい方だった。信じてついて行こう」と内弟子第1号になると決意。親方もアメリカンフットボールからの転身組と聞くと「日本に来て相撲を始めて、苦労、困難を乗り越えた方。人としての強さを感じる」と共感した。

 大島親方は「野球やってたなら下半身は強そうだし、中身が太そう。けがしたと聞いたけど、相撲は突き、押しだから大丈夫。楽しみだね」と今後の活躍を期待する。森宗は体重93キロで「120~130キロにしたい」とラーメンの替え玉7杯が最高だが食を太くする覚悟。「何も知らないので、少しずついろんなことを覚えて頑張りたい」。早ければ来年1月、異色の力士が誕生する。【斎藤直樹】

 ◆森宗順平(もりむね・じゅんぺい)1990年(平2)8月24日、広島県三次市生まれ。小学3年から十日市野球クラブで野球を始める。十日市中の軟式野球部を経て広陵高へ。2年夏からベンチ入り。3年春の中国大会では倉敷商で1試合20奪三振。177センチ。高校時代は83キロ、大学の現役時代は90キロ。左投げ左打ち。家族は両親と兄3人。好きな食べ物はアボカド。