北海道6大学野球春季リーグが27日、苫小牧緑ケ丘球場で開幕する。春2連覇を狙う旭川大では、期待の新人が早くも頭角を現してきた。昨春センバツに女満別のエースとして出場した二階堂誠治投手(1年)が、オープン戦で5試合に登板。早くも高校時代と同じ最速145キロが飛び出し、いきなり開幕投手の座をつかみそうな勢いだ。

 昨秋ドラフト候補にも挙がった二階堂の、夢のプロ入りへの4年間が始まった。3月の沖縄キャンプに参加し、九州地区連盟の第一工大などとの練習試合で好投。それでも「キレや回転数を上げて伸びる球にしないと、大学では打たれる」と投球フォームを見直してきた。「藤川球児のピッチング・バイブル」を熟読し、腕の振り方を変えるなど試行錯誤を繰り返してきた。新フォームは板についてきて「今、いい感じになってる」と自信を見せる。

 高校時代から「150キロを投げられるようになりたい」と公言してきた。「速いボールを投げることができるのは才能。それを最大限、引き出してあげたい」と石田威仁監督(38)も期待を寄せる。「スピードアップのために、体重は80キロくらいは欲しい」(二階堂)と4年間でプラス7キロを目標に掲げ、厳しいトレーニングに励んでいる。

 リーグ戦開幕が迫り、二階堂は「1年生からどんどん試合に出て活躍したい。全国制覇が目標です」と意気込んだ。石田監督は「どんどん調子が上がってきている。開幕戦で登板させるかもしれない」と明言。プロ注目右腕が日本一を目指し、自らの夢をたぐり寄せる。【保坂果那】

 ◆二階堂誠治(にかいどう・せいじ)1994年(平6)9月21日、美幌町生まれ。美幌旭小2年から、少年団の旭ベースボールクラブで野球を始めた。美幌中時代は投手で5番。女満別では1年秋から背番号1をつけ、3年春に21世紀枠で甲子園に出場。1回戦で九州学院(熊本)に0-6で敗れたが、10三振を奪った。家族は両親と兄。1学年上の兄、僚も旭川大野球部に所属。176センチ、73キロ。右投げ右打ち。