耳をすませて50盗塁だ。ソフトバンク本多雄一内野手(25)が11月30日、福岡ヤフードーム内の球団事務所で契約交渉に臨み、400万円ダウンの5200万円で更改した。今季はリーグ3位の自己最多43盗塁をマークしたが、打率2割6分2厘と出塁率3割2分の数字を反省。以前から患っていた慢性中耳炎の手術を今月中に受けることを明かし、来季の出直しを誓った。(金額は推定)

 試合と同じくトップバッターとして契約更改に臨んだ本多は、神妙な表情で交渉を振り返った。「出された額で(判を)押すつもりだった」。400万円ダウンの提示にも抵抗はしなかった。自身初の減俸も当然の結果として受け止めた。

 不満の残る1年だった。「1番としての仕事ができていなかったと自分でも思う」。球団側から指摘されたのは打率(2割6分2厘)と出塁率(3割2分)の低さ。昨季は2割9分1厘のアベレージを残しただけに、物足りなさがあった。リーグ3位の自己最多43盗塁も、マイナス査定を補うまでにはいかなかった。

 来季の逆襲へ向け、早くも大きな決断を下した。左耳の慢性中耳炎の手術だ。「子供のころから悪くて、鼓膜が破れて耳だれ(うみ)が出たり、聞こえづらかった」。この日の会見でも質問を聞き返す場面があった。一瞬の“不覚”は、走攻守すべてにおいて影響しかねない。来季の巻き返しのため、まずは不安材料を取り除くことに決めた。

 契約更改が初日になったのも手術のためだ。例年は2軍選手から順に交渉していたが、球団と相談して日程を早めてもらったという。来季に向けての練習に支障が出ないように、医師の診察を受けた上で今月中に手術を行う予定だ。

 目指すは自身初の大台。「もっと塁に出られれば50盗塁はいける」。打率2割8分、出塁率3割4分以上、三振数70以下(今季は94)の3大目標を掲げ、オフは下半身強化に重点を置く。恩師の森脇前ヘッドコーチは球団を去ったが、新任の大石ヘッドコーチに対しても「盗塁王も(通算4度)とられている方だし、小細工とかいろんな面で話を聞いてみたい」と、教えに耳を傾けるつもりだ。「来年は自分のプレーを発揮したい」。タカのリードオフマンは五感を研ぎ澄ませ、逆襲のシーズンに臨む。【太田尚樹】