さまざまな出来事が起こった2015年も、いよいよ幕を閉じる。今年最も躍進した大関照ノ富士(24=伊勢ケ浜)は、1年をこう振り返った。

 「やっぱり、初優勝と大関昇進はデカかったな。あとはいろいろ、勉強になりました」。

 東前頭2枚目だった1年前。そこから小結を通らず関脇に昇進し、夏場所では初優勝と大関昇進を決めた。年内の横綱昇進も期待されたが、秋場所では右膝を負傷して満足な相撲が取れなくなった。それでも「今年の目標は大関昇進だったから。焦ることはない」。けがと付き合いながら年6場所を務め上げ「俺は努力できる人だからな」と胸を張った。有言実行の裏には、たゆまぬ努力があった。

 31日の稽古納めでは、初めて幕下力士と相撲を取るなど精力的に稽古した。稽古後は、幕内宝富士(28)誉富士(30)と翌日に渡すお年玉の話で盛り上がったが、久々の休日となる正月三が日も「休みなんてないよ」と言う。世間は新年のお祝いムードだが、力士にとっては初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)を間近に控えた大事な時期。かねて公言している「もう1つ上(の番付)」へ、歩みを止めるつもりはない。

 年末のテレビ特番で、来年の出来事を芸人が予想するコーナーがあった。その芸人の予想は過去3年で2度当たっているというから、記者も思い切って予想してみよう。「秋場所で、第72代横綱照ノ富士の誕生」と。【桑原亮】