ボクシングの元WBA世界ウエルター級暫定王者で日本ヘビー級1位の石田順裕(39=グリーンツダ)が「水ガブ飲み作戦」で計量を1発パスした。日本ヘビー級王者の藤本京太郎(28=角海老宝石)に挑むタイトルマッチは、30日に東京・後楽園ホールで行われる。29日は都内の日本ボクシングコミッションで前日計量が行われ、石田は93・2キロ、藤本は101・4キロでパスした。

 石田が、ひと安心した。ヘビー級の下限90・7キロを2・5キロ上回り、計量を切り抜けた。2年前まではミドル級(72・5キロ以下)で戦っていただけに、当時より20キロ近く増えた体をキープすることが、試合前の最重要課題だった。通常のボクサーとは対極の課題を何とかクリア。「体重がリミット(90・7キロ)くらいだったので、直前に水を2リットルくらいガブ飲みしてきたんです」と明かして、笑みを浮かべた。

 前日28日の会見では、陣営の本石会長が「元日本ヘビー級チャンピオン」と書き込んだ手作りベルトを藤本陣営に渡して挑発したが、この日は真剣モードに突入。「大きな相手と練習してきたので(藤本は)小さく感じた。同じ相手に2回負けたくない。気合入れて行きます」。昨年同日のノンタイトル8回戦で敗れた藤本へのリベンジに、燃えていた。