「K-1 WORLD GP 2015」(7月4日、東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)の、70キロ初代王座決定トーナメント1回戦でマラット・グレゴリアンと対戦する山崎陽一が、東京・三軒茶屋のK-1ジムシルバーウルフで公開練習を行った。

 大会まで2週間を切り「疲労もちょっとずつ抜けてきて、いい感じ。当日最高の状態に出来るように、疲れを抜きつつ、運動量を落とさずに仕上げていく」と話した山崎。公開練習ではシャドーボクシングとミット打ちをそれぞれ1Rずつ披露し、調整段階に入っていることをうかがわせた。

 今回は1日3試合の過酷なワンデートーナメントとなるが、「走ることを増やしているが、技術的なこと以外、トーナメント用に練習を変えることはない」という。4月のKrush後楽園大会の第3代70キロ王座決定トーナメント決勝で中島弘貴に敗れた試合を振り返り、自らの課題をクリアするための練習に時間を割いた。「前回の負けをしっかり反省し、課題を克服するための練習をやってきた。(中島戦と)同じような展開にならないように気をつける」。

 山崎が1回戦で対戦するマラット・グレゴリアンは初来日ながらヨーロッパでは高く評価されている選手で、トーナメントの優勝候補の一角として名前が挙がる世界トップレベルの強豪だ。

 特にパンチと前に出るプレッシャーが強く、山崎も「グレゴリアンはパンチでガンガン来てアグレッシブな選手というイメージ」と分析。過去にモルドバや香港でヨーロッパの選手と対戦経験がある山崎は「ヨーロッパの選手はパンチの質が違う。映像で見るよりも体感すると全然違ったので、今回もそうなると思う」とグレゴリアンのパンチ&パワーには強い警戒心を示している。

 もちろん山崎はパンチ&パワー対策を十分に練っている。中島戦後からフィジカル強化のためのトレーニングをスタートさせ、ボクシングジムなどへの出稽古も敢行。「ボクシングジムではミドル級の選手とスパーさせてもらったり、キックのジムでは自分よりも大きくてスピードがあるような選手と練習してきた」と仮想グレゴリアン相手にスパーリングを続けてきた。

 「グレゴリアンは優勝候補にも挙げられていて、トーナメントに出ている外国人選手の中では一番強いと思う」と語る一方、「逆にそういう相手とお互いに元気な状態で一番最初に出来るのもいいなと思う」と山崎はまず、1回戦にすべてを集中させる。「準決勝は1回戦をしっかり勝ってから考える」とグレゴリアン撃破を誓った。

 トーナメント参戦会見で山崎は「僕が生まれ育った福島県いわき市の人に夢を与えられる試合を約束する」と故郷への想いを話した。今回の試合には福島から応援団が駆けつける。「福島はキックボクシングジムも少なくて、キックもムエタイもすべて“K-1”になる。だから自分がK-1に出ることになって、いろんな人から『福島発のK-1選手でしょ』と言われたり、『頑張ってください』と声をかけられる」と、地元の熱い期待も背負っている。

 「今回は必ず勝ちたい。K-1だからっていう特別な気持ちはなくて、負けたくないだけ。前回の試合で負けてから色々と考えて、できることをやってきたので、それをしっかり試合ですべて出す。応援してくれる人たちが喜ぶような進化した姿を見せて、確実に1回戦を勝って優勝まで駆け上がりたい」

 山崎は地元・福島からの応援を力に変えて、優勝候補グレゴリアンの牙城を崩すことが出来るか?

 入場料金など詳細および問い合わせは、K-1=http://www.k-1wg.com/へ。